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酔眼漂流記


2007-11-14(Wed)

女王国の城/有栖川有栖

女王国の城 (創元クライム・クラブ)(有栖川 有栖) 女王国の城 (創元クライム・クラブ)(有栖川 有栖)

この作品を語る上でのお約束だから言うけど、15年の歳月。しかし、15年振りの有栖川作品ではない。当たり前だけれど、今までの延長線上にある作品であり、読む前のこちらの意気込みなんてどこへやら。一度読み始めれば違和感もなく読むことが出来た。それも没頭する面白さで。改めて思うのは、なによりも有栖川有栖がいい!ってことだ。

ただ、ミステリとしての濃さは全3作に比べると淡泊かもしれない。もう身悶えするぐらい美しいと思った前作のフーダニットにおけるロジック。学生アリスに期待するのはそれなのだが、必ずしも満足できるものではなかった。正直に言えば、これだったら*115年も間をおかずに書くことが出来たのでは?という思いがないではない *2

が、そんなことはいいのだよ。何よりこの物語の面白さ、そして読む楽しさ。英都大学の面々の活躍に手に汗握り、物語の世界にドップリとはまる。これは空想冒険小説なのだ。作家アリスのシリーズと違ってこちらはいい意味での絵空事感がたっぷりあるのだ。願えば空だって飛べるんだぜ、とでも言うか。『大脱走』のスティーブ・マックイーンばりの信長のカッコよさと言ったら!

全3作は時代とシンクロしていたのが、今じゃ昔話になってる。携帯電話もインターネットも普及していない時代。うかつにも読み始めはそのことに気付かずに違和感を持ってしまった。以上余談。

クローズドサークルの存在理由には唸らされた。殺人事件が起ったにもかかわらず、なぜ警察に連絡せず、英都大学ご一行は軟禁されることになったのか。それがわかるとこの『女王国の城』と言うタイトルも意味深に思えてくる。

エピローグを読み終えたら、不意に目頭が熱くなってきた。微笑ましいラストだが、このままいってしまうような、もう彼らとは逢えないような気がしたのだ。と思ってあとがきを読んだら後もう1作で学生アリスのシリーズは完結予定なのだとか。何れにせよパーティーはいつか話終わるってことだ。

*1 あくまでも『月光ゲーム』『孤島パズル』『双頭の悪魔』との対比で。

*2 もとよりそれは、中途半端なものは出せない、赦されないと言う著者の葛藤だったんだろう。そういうプレッシャーをかけているこっちの責任でもあるんだが

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 [ああ、すみません。このエントリーに気づいていませんでした。 お読みになりましたか。このエントリーを読ませていただいた..]

雷蔵 [その一冊の予定はいつになるでしょうか?(笑) 最後となると早く読みたいような、そうじゃないような……。 ]


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