酔眼漂流記


2004-01-04[日] 西澤保彦 [長年日記]

[読書][西澤保彦]人格転移の殺人

初めて読んだときのインパクトは絶大。いきなりSFチックな設定に最初はちょっと腰も引け気味。宇宙人が創ったとおぼしき装置って・・・。その装置は中に入った者同士の人格を一定の期間ごとに入れ替えてしまうと言うもの。で、偶然居合わせた世にも不幸な6人の男女がその装置の犠牲になってしまいます。合衆国政府は、装置の存在は知ってたんだけど、手に負えないんで秘密裏に隠していたのでした。なので、哀れな6人は世間から隔離されてしまいます。そして人格が次々と他人の体に移り変わるという状況の中、連続殺人が起こるわけです。

こんなはちゃめちゃな設定でも、まさしく本格物ですんでご安心を。なによりこの設定が本作を面白くしている点なのだ。何故なら犯人の動機や目的が全くわからないって事。だってAさんを殺したとしても中身はAさんではないかもしれないんだから。ネ、いったい誰が誰を殺そうとしてるのかわからないでしょ。おまけに6人は初対面ときているんだから、いったいどんな解決が待つ事やら。しかし、解き明かされたその真相に「やられたー!」って叫ぶこと請け合い。もののみごとに騙されました。脱帽です。

最後にいったいこの装置の目的は何かって事にもオチがあって、それがなんかいい感じですね。

人格転移の殺人 (講談社ノベルス)
西澤 保彦
講談社
¥ 857