2004-09-02(Thu) Bass PALE ALE [長年日記] 編集
_ ペールエール

本日の一杯。
18世紀のイングランド中程、バートンという所で生まれた上面発酵のビール。この地域の硬水がこのビールの決め手なんだそうだよ。
ここで話はちょっと脱線。水には硬水と軟水があるってのは知ってるんだけど、水の硬度って何? 調べてみると水の中に含まれるカルシウムとマグネシウムの量によって決まるそうで。多い程硬水で、少なければ軟水ってことらしいよ。で、日本の水はほとんど軟水。以上余話として。

ちなみに「ペール」とは「色が薄い」といったような意味。でも写真を見てもらえば判るように、どこが薄いんだって感じでしょ。これは要するにエールの中でのお話。ペールエール、ブラウンエール、ダークエール(スタウト)の順に濃くなっていくと言うわけ。そうは言っても、普段見慣れてるビールからすればこれもめちゃ濃い色だけどね。
お味はと言えば、割と苦みが強いんだな。口当たりはいいんだけどね。後で苦々しさが舌に残る感じがちょいと微妙なところかなぁ、個人的には。
それから、このビールはアサヒビールが扱っているから割と手に入りやすいんじゃないかな。
2004-09-05(Sun) Belle-Vue Kriek [長年日記] 編集
_ パイルD-3の壁/刑事コロンボ
SUPER CHANNELで見る。第一シーズンのフィナーレを飾る本作。この時点では第二シーズンなんて白紙の状態であり、一応最終回を意識した物になっているとか。ラストシーンで警部が葉巻を捨てるのがその表れと言えるのかな。
また、唯一ピーター・フォークの監督作としても特別な位置にあるのだ。フォークが監督を希望して、お偉いさんたちと揉めたってのは、知る人ぞ知るエピソード。撮影の途中でストライキを起こして家に帰っちゃったんだとか。そんな苦労の甲斐もあって(?)出来上がった一編。
※以下ネタばれ気味です※
しかし、個人的にはイマイチの感想。パイルを掘り返してまでもっていう、犯人にお付き合いする必然性が薄く感じるのが難点。あんな大掛かりなことをせずとも地道に死体を探した方がよろしいのでは、なんて余計なことを思っちまうのであった。だって、割とあからさまなところに隠していたわけなんだし。まぁ、そんなことを言ったら始らないよってなことなんだけど。
コロンボが言うように、いかにも掘り返してくれと言わんばかりの態度は、こっちにしても要するにそこには隠していないわけだと深読みできちゃうし。犯人余裕があり過ぎだよ。あそこでもう少しこっちも騙されたら、もっと最後のオチが効いてくるように思えるんだけどねぇ。
もっともそう感じるのは、結末を知っているが故なのかも。
でも、犯人の動機としては殺人事件として成立させたくないという点があり、永久に見つからない場所へ隠しちまえ!という犯行計画、プロットは実に壮大でお見事だと思うのであります。
_ ベルビュー・クリーク

本日の一杯。
今宵はランビックスタイルのビールを。ランビックはベルギーのビール。その特徴としては、野生酵母による自然発酵のビールだってこと。ビールの原形だね。人の手によって酵母を入れるのではなく、外気に触れさせて浮遊する酵母を取り込んで発酵させるんだ。普通のビールが、雑菌が入らないように外気に触れさせないのとは逆。
だから、ランビックの醸造所は理想的な酵母菌だけが入るように気を使ってるんだ。掃除なんて御法度。醸造所は蜘蛛の巣だらけなんだそうだけど、それは雑菌を運んでくるショウジョウバエ退治のためなんだそうだよ。蜘蛛は用心棒ってわけだね。
それから普通のビールと違う点として、時間をかけて熟成させる点。2〜3年、ものによってはもっと時間をかけた物もあるらしいよ。ビールは出来立てが一番、なんてのからすれば、これまた逆だね。
そして、酸化防止のために大量にホップを使うのも特徴かな。ただ、それだけ大量にポップを使っちゃうと苦みも増してしまうから、3年以上寝かせて苦みの成分が薄れた古いポップを使うんだ。
そして、本日のビール”ベルビュー・クリーク”は、2〜3年熟成させたランビックにサクランボをつけ込み、さらに半年自然発酵させたビール。コルクで栓がしてあるんだけど、あけるときシャンパンと同じで慎重に。

写真では真っ黒に見えちゃうけど、色は濃いチェーリーレッドといったところかな。そして薄いピンク色の泡。見た目はビールに思えないかも。飲んでみてもビックリ。ランビックは酸っぱいビールなのだ。このクリークは付け加えてサクランボの風味。ほのかに甘酸っぱいビールなんて。普段飲んでるビールと比べれば「これもビールなのかっ!」って驚くよ、きっと。
もっとも、その奥にあるのはやっぱりビールの味。その絶妙なバランス具合は、私的には病み付きになりそうな一杯。けど、何杯も飲むってのにはむいてないかもなぁ。軽く一杯って時にはこいつがいいかも。午後のデザート代わりにこの一杯。
ちなみに、ランビックは麦芽にしない小麦を30%以上使うように定められているそうなんだ。このビールも麦芽含有率が48.9%。ってことで、日本では酒税法の関係から扱いは“発泡酒”ってことになるんだよねぇ。
2004-09-14(Tue) [長年日記] 編集
_ アイルランドの薔薇/石持浅海
舞台はアイルランド。南北アイルランドを統一しようという武装組織NFCの副議長が、スライゴーの宿屋で何者かに殺害される。政治的な理由から警察に通報できない状況で8人の宿泊客は宿屋に閉じ込められることに。しかも、その中には副議長を暗殺するための殺し屋が紛れ込んでいた。果たして殺害者は何者なのか。宿泊客の一人、日本人科学者のフジの推理が真実を解き明かす。
アイルランドは名前は知っているけれど、なじみの薄いところだ。イギリスと何か関係のある国、と言うのが大雑把な認識。それでも何故かアイルランドと口にするとどこか憧憬に似たものを感じるのはどうしてだろう。ギネスとアイリッシュウィスキーのせいかな。
そもそも「イギリス」は正式名称ではないのである。正確にはThe United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国」と言うのだそうで。イングランド王国、スコットランド王国、ウェールズ公国、そして北アイルランドの4つの国がまとまったのがイギリスな訳です。ぶっちゃけて言えばイングランドが、他の国を征服した結果出来た国が現在のイギリス。
現在のアイルランドは南北に分かれているわけなんだけど、ごく簡単に言えば、南側はイギリスから独立し、北側はイギリスの支配下に残ったというわけ。そして、北部は英国にとどまり続けるべきだと主張するグループと南北合わせた独立を願うグループの対立によって、過去にテロだとか血なまぐさい事件が多発したのでした。
肝心の感想。ノベルスで出たときにも話題になった通りとても端整なミステリだ。真ん中直球一本勝負って感じ。こちらとしても気持ちよく空振り三振するしかない。一見謎に見えた真相も、実は単純な事実でしかなかった、というのは好み。こうした清く正しく美しいミステリは読んで清々しいよ。
いわゆる“嵐の山荘”ものなんだけれど、その装置としてアイルランド問題を持ってきたというのが斬新。和平交渉をしている最中なので、NFCの副議長が何者かに殺されたなんて公表できない。下手すれば和平交渉に影響しちゃうからね。そのため誰が何の目的で彼を殺したのかを自分たちで探さなければならないということから生まれたクローズドサークル。単に目新しいさを求めているだけではなく、背景をしっかりと生かしている作者の手腕は素晴らしい。
ただ、伏線の殺し屋である”ブッシュミルズ”の扱いがいまひとつだったのが残念。本筋にうまくからんでいたとはいい難いと思うよ。それに、いかんせん登場人物が少ないから、正体がある程度見極めがついちゃうんだよなぁ。
アイルランドの薔薇 (光文社文庫)
光文社
¥ 580
2004-09-15(Wed) [長年日記] 編集
_ グラスホッパー/伊坂幸太郎
三つの物語がそれぞれ微妙に交差し、やがてひとつの結末に収束していく。先の読めない展開は早くその先を知りたいと、ページをめくるのがもどかしく感じさせる。相変わらずの洒落た台詞まわしは、これまた読んでいて楽しい。さりげなく置かれた伏線が突然意味を持って目の前に現れるのは快感だし。読み終えるまで意味の分からないタイトルも最後は納得。これぞ伊坂作品の真骨頂と言えるけど、どうも、もうひとつに感じられるのは何故?
それぞれの物語の繋がりが、今回はそれほど決まっていないように思うのだ。確かに最後はひとつの物語へと収斂していくんだけども、伊坂流テクニックで無理矢理寄合わせたような。おそらくメインとなる話は鈴木のパートなんだろうけど、それぞれの話が立派に独立し過ぎて、というか個性があり過ぎてぶつかり合っている印象。
ひとつひとつの物語が独立してるってことはそれだけ情報量が多いってことかもしれない。まずは、それぞれを咀嚼しないと全体の味わいが判らないってことか。こいつはちょっと私には難解だったりするのだ。一度読んだだけでは、駄目なのかもしれないね。十分に味わえていない気はするよ。
そうは思うものの、やはり未来は神様のレシピで決められていて、自分自身ではどうすることも出来なくて人任せのところもある。そう考えれば、鈴木、鯨、蝉の三人はそれぞれ影響し合ったんだと言えるけど。自分の運命は自分で切り開いているようで、実は誰かに頼っているんだとかね。
そう、途中で『オーデュボンの祈り』がちらっと出てきたり。そのせいかどうか”鈴木”は“伊藤”に、“蝉”は“日比野”にだぶって見えちゃったりね。そうすると”桜”のイメージが“槿”と“鯨”あたりに。
初めて伊坂作品を読むのにこの一冊はあまりお薦めしない。今までの作風と一線を画している、と思うから。今までもアクセントとしてダークな部分があったけど、これは全編ダークと言った雰囲気。グロテスクにはなっていないけれど、一歩間違えれば危ない感じ。ほんとは伊坂幸太郎って人はよほど腹黒い人なんじゃないかという想いが強くなったりね。
それでも、最後は、決してハッピーエンドじゃないけれど、どこかホッとさせられるのはいつもの伊坂流ってとこかな。こどもと接することは、親であるってことはきっといいもんなんだろうなぁ。
それにしても。もし殺し屋に命を狙われるようなことがあったとしても、「自殺屋」だけは勘弁してもらいたいよ。彼は自殺を強要するのではないのだ。彼の前に立つと誰もが自殺したくなるってんだから恐ろしい。
「人は誰でも、死にたがっている」
自分は関係ないと言い切れるかどうか、不安だ。
グラスホッパー
角川書店
¥ 1,575
2004-09-17(Fri) Weltenburger [長年日記] 編集
_ ヴェルテンブルガーヴァイスヘル
本日の一杯。
今日はヴァイツェンスタイルのヴェルテンブルガーヴァイスヘル。ヴァイツェンとは南ドイツで古くから造られている伝統的な上面発酵のビールスタイル。原料には大麦麦芽のほか50%以上の小麦麦芽を使わなければならないと決められているんだとか。ちなみにヴァイツェンとは小麦のこと。小麦ビールだね。
普通ビールは最後に濾過して酵母などを取り除くんだけど、ヴァイツェンは基本的に一切濾過しない。酵母がそのまま残っていて浮遊しているんだ。だから透明感はなくて、濁りがあるよ。何も知らないと「なんだか濁っててこのビール大丈夫?」って感じだけどね。ヴァイツェンはヴァイス・ビアとも呼ばれらしい。ヴァイスとはドイツ語の“白”のこと。白く濁ったビールってことでかな。この辺はちょっとあやふや。

お味のほうなんだけど、これが滅法うめぇー、うめぇー。このビールだけあれば、もう他のビールはいらないよ、ってぐらいの旨さ。“すっきり感”ではなくて “まろやか感”と言って感じかな。甘い香りで、何とも言えないクリーミィな味わい。苦みもわずかで、これなら底なしに飲めそうなのだ。ビールは苦いのが苦手という人にも是非お勧め。
ちなみにヴェルテンブルガーというのは、南ドイツにある修道院のこと。何でも西暦1050年にビール醸造を始めた世界一古い修道院醸造所、なんだそうで。
2004-09-19(Sun) [長年日記] 編集
_ 蛍/麻耶雄嵩
現在ミステリで使われるトリックは、もちろん全てがそうだと言うわけではないにしろ、過去発表されてきたトリックのバリエーションと言ってもいいのでしょうか。長年読んでいるといやななもんで、トリックに堪能しつつも「ああ、これはあれね」とかどこか醒めちゃったりすることもあるます。
本作のトリックも、元を質せば実にメジャーなトリックのバリエーションでしょう。が、その捻りが実に絶妙にして巧妙。こんな風に使うなんて見事だなぁ。これには、ものの見事に騙されました。結構読んでいる人程騙されるのかも。「こうくるんだろ」と勝手に身構えていたのを最後の最後で見事にひっくり返されました。
真相が判ったとき作者に仕掛けた罠の深さに一瞬何のことか判らなかったのはお恥ずかしい限り。じっくりと理解するにつれ、ジワシワのその出来のよさが判ってくる、スルメ状態。
読んでいる最中は、あまりにもお行儀のいいミステリなんで少しだけ退屈したのも事実。過去に惨劇のあった曰く付きの館。嵐によって閉じ込められる登場人物。そこで新たに始る惨劇。繰り返されてきたミステリのカタチ。もっとも著者は確信犯的にそういう作りにしているんでしょう。それはラストに訪れるカタルシスへのお膳立て、伏線。
最後にひとつだけ疑問。
登場人物たちは驚いていますけど、こっちが何か勘違いしている?
螢
幻冬舎
¥ 1,680
2004-09-26(Sun) [長年日記] 編集
_ ウィルスバリアXとネットバリアXを入れてみる
Macのアンチウィルスとファイアウォールソフト
インテゴ社のアンチウィルスソフトVirusBarrier XとファイアウォールソフトNetBarrier X3のデモ版を入れてみた。しかし、正直言ってMacにとってネットセキュリティはどうなの?って気分ではあるんだよなぁ。Windowsならまだしも。
もちろんそれはMacが安全なわけではなく、現在のところ脅威となるものが少ない、ほとんど無いといった状況にあるわけだけど。要するに、東京のど真ん中で横断歩道も無い場所で道路を横切るのと、田舎のそれとではどちらがより危険かといったとこかな。それでも田舎だって車に跳ねられる時は跳ねられるんだからさ。ようは本人の日頃の心がけ、注意力の問題か。
そうは言っても、ウィルスバリアでスキャンしても案の定問題なし。ネットバリアも、ファイアウォールはOSX付属ので充分だって話を聞いたりするしねぇ。どうももうひとつ危機感が無いっていうか、セキュリティソフトの必要性がズルズル低下してしまうのだ。まぁ、これは転ばぬ先の杖、保険みたいな物だとは思うよ。
さて、使用感などを少々。ウィルスバリアはOS9時代には使ってた。インターフェースなんかはまったく変わらず。スキャンにかかる時間はOS9の時はあっという間だったけど、OSXでは結構かかるんだね。30分ぐらいかかかったよ。OSXのほうがそれだけ複雑ってことなのかな。でも、とてもシンプルで使いやすいと思う。実力のほうは判らないけどね。なんたって、前使ってた時もお世話になったことは1、2度ぐらいしか無かったし。
それに対して、ネットバリアは機能があり過ぎのような。知識のある人には使い勝手があるのかもしれないけど、私には宝の持ち腐れ状態になりかねないな。スイッチやボタンがいっぱいある装置みたいでどれが何やら、どう使っていいのやら。スイッチひとつで簡単お任せ、みたいなインターフェースもあったほうがいいんじゃないかなぁ。そんなわけでいいのかどうかまだ判らない。ただね、ログを見ると結構「次の接続先をブロックしています」って出てで、仕事してるんだなぁ、と。もっとも、それが何者なのか判らないから評価のしようがないんだけど。何でもかんでもブロックすればいいってもんでもないんだよね?
ノートン・インターネットセキュリティ 3.0 for Macintosh
やはりどちらかと言えば、こっちの方が定番かな。でも、ノートン先生って芳しくない話とかよく聞くんだよね。いずれにせよ、昨今の状況を考えるとMacといえども何がしかのセキュリティソフトはインストールしておいた方が無難なのかもなぁ。
2004-09-30(Thu) [長年日記] 編集
_ 日記、手帳の季節がきました
本日、日記手帳を展示。毎年のことながらうちの書店にとっては一大イベント、といったら大袈裟すぎるか。でも、そんな感じなのだ。とにかく数が多い。結果場所をとる。こんなに並べてる書店を見たこと無いぞ、ってぐらい多い。場所を確保するのに四苦八苦。
で、個人的に思うことなのだが、「うちは本屋であって手帳屋じゃねぇんだよ」、って気持ちが底のほうにどんよりとあるわけ。これだけの場所があれば手帳よりも本を並べたいってね。そんなわけで、結構苦々しい気持ちでこの日を迎えているわけなのだ。だってさ、これとこれはどこが違うの?ってぐらい差が判らないのもあるんだぜ。ホントに全部必要?
しかし、手帳日記類って売り上げにはキチンと貢献しているわけで。確実に売り上げを見込める商品なので、そんなに邪険に扱うわけにもいかないんだよなぁ。売り上げが落ちていない以上、出版社の方も「もっと置きましょうよ」、毎年と甘い言葉でささやいてくるし。こっちも売り上げを落としたくないから減らすのは怖いし。そんなわけで、少しずつ売り場を浸食されているのだ。今は4月始まりの手帳なんてモノもあるし、なんだかんだいって半年以上は奴らが店頭を占拠しているんだよね。
とまぁ、そんな愚痴っぽい一日なのでした。あー、でも後これからもう一社入荷してくるんだよな。もう置ききれないつーの!



