酔眼漂流記

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2006-03-20(Mon) [長年日記] 編集

_ デッドマン・ウォーキング

歳取ると涙腺が緩くなるってのは本当で、クライマックスでは涙ぼろぼろ。お酒を飲みながらの鑑賞で、ついつい深酒してしまいました。もっとも、「気持ちよく」泣けるのは被害者にも加害者にも属さない第三者であるからというのも事実。

死刑は妥当な罪なのかどうか。人の死は死をもって償うのが最善なのか。その是非。気持ちが揺れっぱなしになります。正直な感想は、加害者側が主役であることから気持ちの片足はどうしてもショーン・ペンの方に突っ込み気味ではあるのです。流した涙も彼のためですし。ウーム、だからと言ってなぁ。

それならば、無期懲役ならばどうかとえば、それはそれで遺族からしてみれば釈然としないものは残るのは間違いないでしょう。謂れもなく家族を殺されたとしたら、犯人にも死を望むのは「正当」な感情なのでは。

どうしたらいいのかなんてことを考えだしたら、収拾がつかないのでとりあえず保留。ただ、どう償おうとも誰も救われないこと確かだ。

刑が執行されるところを被害者の遺族が見守るクライマックス。あれは、やりきれないシーンだ。加害者にはもちろんなりたくないが、被害者側にだって絶対になりたくない

一番強く思うことは、罪を犯すことの愚かさだ。この映画を見れば、何かが解決されるなんてことはない。見る人によって感想も立場も様々でしょう。でも、見終えた後のモヤモヤとした重い気分を見つめてみるのは有用なことではないでしょうか。

以下余談。キリスト教が判らなければ伝わらないニュアンスがあって、ちゃんと理解したかというと難しいところでもある。神というのは精神的な救いの場のようなものなんだろうか。それこそ信ずれば最後には救われるという希望。日本人が思い描く「神様」ってのとは、全く違うものなんだろうなぁ。

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Tags: Movie

2006-03-21(Tue) [長年日記] 編集

_ コンタクト

単純にSFの映画、地球外の知的生命とのコンタクトを巡るお話、だけと観ると居心地の悪いところがある映画。なかなか感想をまとめづらい。気がつけばジョディ・フォスターはいいなぁ、なんて場違いな感想しか出てこない。

越えられない壁は西洋との価値観の違いでしょうか。宗教観による違い。科学と宗教。相反するようでいて、密接な関係にあると感じるのです。表裏一体ともいえるいえるのかも。観終えてつくづくそれを感じる。このあたり日本人には、なかなか判りづらい部分ではないかと思う。

二つは別物と考えるのが、一般的な認識ではないかと思う。アチラでは同じ土俵の上といった感じなのだ。

そこで重要になってくるのが「神」という存在の大きさかな。科学を全面的に肯定すると、神の存在を否定することに繋がる。逆もまた然り。科学も宗教も突き詰めると信じるか否かになっちゃうのか。

科学者という立場で根拠のないもの、つまり神の存在、は肯定できないジョディ扮するエリー。そのため、いったんは異星人とのコンタクトの役を失う。全人類の95%(そうなのか!?)が何がしかの神を信じているのに、それでは人類の代表として相応しくないという理由。

最終的には彼女に役が廻ってきて、めでたく接触できるわけなんだがその時の記録がいっさい残っていない。彼女には18時間の体験なのだが、こちら側には1秒にも見たない時間の出来事。証拠の類いはないのに、そんなことは信じられないという周りの人々。

この辺り内包するジレンマに物語のポイントがあるんだろうね。つまるところは信じるか信じないかの問題なのか。しかし、ことさら宗教に絡めてくるのは違和感があるんだよなぁ。なので、日本人には判りづらいのではないかと勝手に思うわけであります。

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Tags: Movie

2006-03-27(Mon) [長年日記] 編集

_ 兵士を追え/杉山隆男

兵士に聞け』『兵士を見よ』に続く第三弾。

海上自衛隊の潜水艦部隊とP3C部隊の体験レポート。自衛隊というのは単に存在しているだけだと思いがちだが、これらの部隊は日々緊迫した状況に於かれているということを再認識。

他国の艦艇や潜水艦、不審船の監視の任務。それはまさに「実戦」なのだ。海上、海中で我々の目の届かない場所で闘いが繰り広げられている。見えないだけで国同士の利害が露骨に現れていると言ってもいい場所。それこそ一触即発状態の現場に立つ自衛隊員。

是非はひとまず置き、そういう世界があるってことは、頭の片隅に認識しておくべきだ。

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小学館
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Tags: Book

2006-03-28(Tue) [長年日記] 編集

_ 6ステイン/福井晴敏

非公開組織である防衛庁情報局。国益という大義名分の下、人知れず任務を遂行する彼等局員の活躍。それは人を殺めることも厭わない汚い仕事だ。特に普段は一般市民としての表の顔を持ちながら、裏の顔は正局員を補佐する警補官というのはまさに時代劇「必殺」シリーズのような裏家業、闇の仕事。

国のために彼等が存在しているにもかかわらず、状況如何ではあっさりと切り捨てられる非情さ。それだけに悲哀こもごもな彼等の姿に、ヒーローとしての孤独と存在感を感じる。一寸の虫にも五分の魂じゃないけど、国家間の大きな流れに翻弄されながらも、最後には己の信ずるもののため、個として闘う姿はやはり痺れるのだ。福井作品のモチーフともいえるもの。目頭が熱くなる。

一筋の希望が見え隠れするラストは、それがほんの僅かでも、重い話だったり暗かったりする後なので、清廉な読後感。

ただ、例えばアメリカが舞台であれば、すんなりと違和感なく読める。CIAやMI6が活躍する冒険活劇。SF映画に日本人が出てきちゃうと、どうも馴染めないのと同じ感覚があります。今の日本に秘密裏に暗躍している、殺人までも許されている組織があるなんてことは、平和ボケしている訳でもないんだけど、どうも想像できなかったりする。現実的な世界で描かれているだけにちょっと引っかかるところ。実際はどうなんでしょう。

余談。『亡国のイージス』を読んだ時、如月行のイメージが勝手に木村拓哉に重なっていた。そんなような記述があったんだっけ。それはともかく、著者も結構イメージしているんじゃないかと今回改めて邪推。

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