2006-12-11(Mon) [長年日記] 編集
_ 一応の推定/広川純
12月24日、ひとりの老人が駅のホームから転落し、列車に撥ねられ死亡した。単なる事故か、難病を抱えた孫娘のための保険金目当ての自殺なのか。周囲の状況は自殺を物語る中、保険調査員のベテランである村越の調査公の末に辿り着いた真実は?
まさにその受賞タイトルにふさわしい一冊じゃないかな。ものすごく地味です。とても枯れた味わいなのだ。主人公は定年を控えた保険調査員。ドラマティックな展開があるわけでもなく、淡々と関係者の元を訪れて証言を訊いていくだけ。トリックなんてものがあろうはずもなく、最後にどんでん返しがあるわけでもなし。
それでも、面白いよ、コレ。事故か自殺か。単純だけれど、それだけにかえって分からない謎。読んでいる間は最後にどちらの結末が待ち受けるのか全く予想もつかなかったよ。村越の調査で真実が明らかになっていくのに引き込まれる。これもある意味ハードボイルドかな。
最後が、無難に着地しちゃったのがちょっとだけ不満。心揺さぶる、もっと泣けるようなオチだったらなぁ、と欲張りにも思っちゃうわけであります。
2006-12-20(Wed) [長年日記] 編集
_ 凶鳥の如き忌むもの/三津田信三
瀬戸内海に浮かぶ鳥坏島で執り行われる鳥人の儀。18年前に行われた際は、参加した8人中7人が忽然と消えうせるという曰くつきの儀式だった。小説家・刀城言耶はその秘儀に立会人として参加する。そして悲劇は再び繰り返される。儀式の最中密室状態の拝殿から巫女が消えた。それは超常的な力によるものなのか。
初めての三津田信三。初めて読む作家というのは難しいね。評価の基準点が定まっていないから。事前の風評ではホラー系統の人だと聴いていたけれど、これに限っていえば、怪奇色はそれほどではない。もちろん雰囲気は伝奇小説といった趣。でも、事件に対してあらゆる可能性を論理的に議論していくあたりは、もうバリバリに本格ミステリといってよろしいのではないかと。
ただ、それが何とはなしにアンバランスに感じる点でもあるのだ。事件が起こるまでは、因襲に彩られた魑魅魍魎が跋扈しそうな世界。
で、その後に関係者による「密室からいかにして巫女は消えたのか」の議論があるわけだが、即物的で現実世界に引き戻されるようでちょっと興ざめ。やや饒舌な気もするし。こういうのは不可解なままラストまでなだれ込んで、最後に天才型の探偵が有無を言わせず真相をズバッと、それが多少強引でも、語るのがよろしいのではと思う次第であります。
しかし、明かされるこのトリックはいいなぁ。あり得ないって。でも、この世界観に合う見事なオチだ。ちゃんとホラーな世界に戻してるしね。
本作のトリックの原型を子供の頃に本で読んで知ってはいた。何かの図鑑にでも載っていたのか。子供心にも恐ろしく映りましたよ、あれは。何たって写真付きだったからなぁ。でも、本当に20分やそこらでアレは成し遂げられるの?
余談だけれど、事件の舞台となる拝殿辺りの説明が、事細かく書き込まれているんだが、それが却って情景を思い描きづらくしているのは我が空気頭の所為かしらん。嗚呼、頼むから図説してくれ。
凶鳥の如き忌むもの (講談社ノベルス)
講談社
¥ 1,134
2006-12-21(Thu) [長年日記] 編集
_ egbridgeとATOKとことえりと
OSXになってから、Macの標準のIMであることえりが充分使えるようになって、市販のIMを買おうと思うことはなかった。
そうは言っても、インターフェースとして日本語入力システムの使い勝手は、普段意識しないながらも重要なポイント。できるだけストレスなく入力したい。ことえりに決定的な不満はないとしても、egbridgeやATOKは常に気にはしていた。
で、季節はクリスマスシーズン。この時期は自分にプレゼントという大義名分で、普段はちょっと迷う買い物をしちまうのだ。今年はegbridgeかATOKにしようかと。
まずは、egbridgeとATOKの体験版をダウンロードして使ってみた。試用して改めて思うのは、日本語変換ということだけ見れば、ことえりで十分だということ。ごく日常的な使い方ならば特に不満はないと思う。
それでも、細かい点で見ていくとやはりことえりは分が悪いのも事実。変換精度は他の二つに比べると体感的に落ちるような。その点で言えば、ATOKが一番賢いか。まっさらな状態でもほとんど間違いがなかった。egbridgeはその中間といったところ。ま、使い込んでいくうちに解決していくことではあるんだろうけど。
そしてegbridgeとATOKにはことえりにはないプラスアルファがある。文章を書くのをお手伝いしてくれる点。そこがお金を出してもいいかどうかの判断基準になるかな。個人的には類義語の候補を表示してくれることが有り難い。言葉の意味も簡単に知ることができるのも見逃せない。言葉に幅が出るよね。
高機能なのがATOK。老舗だけあって至れり尽くせり。メインがWindows相手だからということもあるんだろうね。誤字誤用のチェックの他、いろいろとアドバイスしてくれる。日本語入力”支援”システムといってもいいかもしれない。もっともその分メモリも食うし、人によっては動作がもたつくと感じる人もいる。でも完成度としてはやはり一番かもしれない。
対してegbridge。こちらはMacでの日本語入力システムの老舗だけあって、OSXとの親和性はATOKよりも勝る。Mac OSの最新技術をいち早く採り入れてるからね。機能的に見ると決してATOKより劣っているわけではない。甲乙つけがたいけれど、あの至れり尽くせり感と比べると差があるように思えちゃうかも。
で、結局買うのはどちらにしたのかというと、迷った末にegbridge。以前はegbridgeを使っていたということと、Mac版”も”あるATOKと違って、egbridgeは何たってMac専用ですから。なんて言う非論理的な根拠。
あ、それと値段が安いって点だ。ダウンロード価格でegbridgeは6,300円 註1。ATOKは9,450円。この差はでかい。確かにATOKには捨てがたい魅力があるけれど、3,000円を出すまでもないってことでもある。
個人的な結論として。日常的に使うのであれば、ことえりで十分。もうちょっと凝って文章を書こうと思うのならegbridgeで。本格的に正しい日本語の文章を目指すのならATOK。そんな感じでしょうか。
ついでながら。今回ダウンロード販売を使ったんだが、エルゴソフトのサイトだとJCBカードが使えないのだ。パッケージで買うと10,290円ですぜ。これは不公平じゃないですか。やり場のない怒りを感じましたね。結局ベクター経由で購入することで解決したんだけどね。まぁ、200円割高だったけれど。
註1 この価格で電子辞典セットなのはリーズナブル。けれど実際使ってみると英和・和英はともかく国語辞典はごく簡単にしか意味が出ていないのでおまけっぽい
2006-12-26(Tue) [長年日記] 編集
_ ダイ・ハード4予告編
おおっ、ダイ・ハードの新作をやるらしい。今度はサイバーテロと戦うらしいよ、ジョン・マクレーンは。
期待半分不安半分。「ダイ・ハード」は今まで見た映画の中で、面白かった映画を挙げるならば、まず頭に浮かぶ映画。ブルース・ウィルス演じるジョン・マクレーンのカッコ悪いカッコよさにしびれた。決してスーパーマンじゃないところが、等身大のヒーローって感じで受けたところなんじゃないだろか。
スタローンやシュワちゃんだとまた違った映画になっちゃったよなぁ、きっと。
敵役であるアラン・リックマン演じるハンス・グルーバーの魅力も、この映画の面白さに大いに貢献している。どこか憎めないけど、しっかり悪役といういい敵役だよな。
1作目の出来がいいから、2・3作目は正直ちょっとがっかりだった。2作目は1作目を意識しすぎたように思えたし、3作目は違うものにしようとしたのが良かったのか悪かったのか。ついでにいえば、敵役も貧弱。
それぞれ、十分単品としては面白かったけれど、最初が偉大すぎたってことか。
で、4作目。この予告編だけ見ても、とてもじゃないがダイ・ハードのシリーズだとは思うまい。1作目から18年後の設定らしいけれど、年をとったというよりも別人だよ。それこそスーパーマンの風格が。派手さもシリーズ最高だ。ああ、それだけに一抹の不安が……。
米国では7月4日の公開予定だそうで。
2006-12-27(Wed) [長年日記] 編集
_ 携帯でGmailを使う
auの携帯電話からGmailを使うことが出来る。
まぁ、我が生活においてメールの依存度はそれほど高くはないんだけれど、これは何気に便利。すべてのメールをいつでもどこでも見ることが出来る。
使ってみて一つ問題が。Gmailの便利なところとして、自分でいくつもアカウントをつくることが出来る。で、パソコンで使うときには返信の際には自動でメッセージの受信アドレスから返信できるんだけど、携帯からだとそれが出来ないようだ。
手動でアドレスの変更も出来ないようだし。うーむ、ちょっと困ったところ。何か解決策はあるのかな?
