骸の爪/道尾秀介

『シャドウ』が面白かったので、道尾秀介を読むぜぃシリーズ第2弾。

巷の評判はすこぶるいい。期待して読んだんだけど、うーむ。やはりあれか、期待が大きい分、感想も渋めになるか。そつなくまとまった良品ミステリ。極普通のミステリだから逆に評価が高い、ってことでもあるのか。

クライマックスの畳みかけるような展開は、こちらの読みを壮快に裏切ってくれて○。だれだれが犯人でした、で終わらせないで、次々と意外性を演出するところが非凡なところ。ちゃんと伏線を張っておくその手腕。

それでも正直地味かな。まぁ、派手なのがいいってわけじゃないんだけど。どうしても「もっと刺激を!」ってことになっちまうわけでありまして。インパクトのあるトリックがあるわけじゃなし。確かに張り巡らされた伏線の回収は見事だけれど、超絶に凄いって訳でもなし。

後になってから内容を忘れちゃいそうなんだよなぁ

9 月 6th, 2008, posted by 雷蔵

シャドウ/道尾秀介

なるほど、巷の評判は伊達じゃなかった。物語の造りがとてもうまい。さしてドラマチックなことが起こるわけじゃないんだけど、思わせぶりな筆致についつい引き込まれる。

伏線の張りかた、と言うか見せかたがいいんだよなぁ。擬似餌、みたいなもんだ。釣られちまった。いろいろと騙されてね。結構べたな伏線だと思わせて、勘ぐらせておいて。何か裏があるはず、とひねくれて読んでると作者の思うつぼか。

最初はずいぶんとわかりやすいと言うか「単純」だと思っていたんだけどね。ほら、使い古されたと言うかよくあるパターンだな、って。実はそれら全部ミスディレクションでしたって感じ。ラストの展開は予想出来なかったもの。騙しのテクニックはなかなかのもの。

こうなると他のも読みたくなるってもんだ。

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シャドウ (ミステリ・フロンティア)
道尾 秀介
東京創元社 2006-09-30

by G-Tools , 2008/09/04

9 月 4th, 2008, posted by 雷蔵

ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!/深水黎一郎

このミステリの肝はタイトルからわかるように犯人が読者だって事。つまり読んでいる「私」が犯人。著者はある意味最初からネタバレしているわけだ。しかも、読み手が犯人なんてえらく難しいハードルに果敢に挑戦。この不可能なことにどんなトリックを使って可能にするのかと、否が応でも興味が湧くってもんじゃありませんか。

で、結論から言うとやり遂げましたよ。ええ、そういう言うことなら読者である私が犯人だといわれても仕方ない。ただ、これが「アリ」と言うことになると何でもありになっちゃうような気もするけど。やっぱり無理があると言わざるを得ないかな。このあたりの評価、フェアかアンフェアか、真っ二つに分かれそうだ。それでも「読者が犯人」と言う不可能なことに挑戦して、とにもかくにも破綻無くちゃんと着地させた著者に惜しみない拍手を送りたい。

トリックは結構キワモノっぽいけど、決してトリック一発だけの勝負、ってわけでもないのだ。トリックを成立させるために実に丁寧に伏線を敷いてあるし、構成も考えられている。

何より小説としての出来が悪くないって事。メインのトリックを差し引いてもよく出来た面白い「お話」であることは確か。だって、読んでる最中はこの先どうなるのかと興味津々だったもの。

このトリックだけを取り上げちゃうと評価は厳しくなっちゃうけれど、全体のバランスをみた時にはよく出来ていると思うよ。

ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ !/深水黎一郎:amazon

4 月 10th, 2007, posted by 雷蔵

スマイルアイコンの使い方

今更だけどWordPressって標準で :mrgreen: のようなアイコンを使えるってことを知る。プラグイン使ってるんだと思ってたけどね。

使い方は簡単。上の例なら:mrgree:と記述してやればいい。ただし、前後に半角のスペースが必要。

使えるアイコンの一覧。

  • “:mrgreen:” » :mrgreen:
  • “:neutral:” » :neutral:
  • “:twisted:” » :twisted:
  • “:arrow:” » :arrow:
  • “:shock:” » :shock:
  • “:smile:” » :smile:
  • “:???:” » :???:
  • “:cool:” » :cool:
  • “:evil:” » :evil:
  • “:grin:” » :grin:
  • “:idea:” » :idea:
  • “:oops:” » :oops:
  • “:razz:” » :razz:
  • “:roll:” » :roll:
  • “:wink:” » :wink:
  • “:cry:” » :cry:
  • “:eek:” » :eek:
  • “:lol:” » :lol:
  • “:mad:” » :mad:
  • “:sad:” » :sad:
  • “:!:” » :!:
  • “:?:” » :?:

4 月 7th, 2007, posted by

福家警部補の挨拶/大倉祟裕

著者は「刑事コロンボ」熱烈なファン。そこに、コロンボ研究の第一人者である町田暁雄氏の手も加わっている。そんなわけで、頭の先から尻尾までコロンボテイスト満載の一冊。コロンボ大好きな私としては全編ニヤリとなる出来。コロンボにたいする憧憬にあふれているのだ。全4篇しあわせな気分で読みました。

もっとも、忠実なコロンボの本歌取りなのでいくぶんオリジナルとしての面白みに欠けるかな、という気はする。福家警部補と言うキャラクターの存在感。おそらくわざと存在感を希薄にしてるんだと思う。コロンボと同様生活感を排除して。生活感が濃厚だとそれはそれで冷めちゃうよね。でも明確な存在が浮かばない分感情移入しにくいわけで。これは見ればわかる映像と説明しなきゃわからない小説の差か。あと邪推だけど、「古畑任三郎」の存在。福家警部補が女性なのはその辺にあるんじゃないかと。

重箱の隅を楊枝でほじくるようなことだけど、「オッカムの剃刀」と「月の雫」はアレとアレのバリエーションね。両方とも本家の方は誰に聞いても上位に入る作品だろうし*1、おそらく著者もお気に入りなんだろうなぁ。だから、自分でも、と思ったのかどうか。

とてもよく出来ているけど、元ネタを知っているだけにね。犯人が最初からわかっているコロンボの醍醐味は、完全犯罪が思わぬ、そして意外な証拠から破られるあたりではないかと。途中でオチに感づいてしまったのはちょっとマイナス点。まぁ、贅沢な悩みだけど。

その点「最後の一冊」はお見事。最後のツメが実にコロンボ的でいいよなぁ。そして、オリジナル度高し。強いて言えば「迷子の兵隊」のバリエーション?ああ「死者のメッセージ」とか。最後の、思わぬ証拠が現れるそのラストにしびれた。きっとアレが証拠になるんだろうな、と思わせておいて一枚上を行ってます。しかも実に無理のない展開だし。これは傑作だと思うぞ。

福家警部補の挨拶/大倉祟裕:amazon

  1. 「月の雫」の方は私的にもベスト3に入るな [戻る]

4 月 5th, 2007, posted by 雷蔵

tDiary始めました

最近更新してませんが、さぼっていたわけではなく。

tDiaryをインストールして遊んでました。 昔から気になっていたツール。でも何となく敷居が高そうで躊躇してました。しかし、いざやってみると結構簡単。便利な世の中で、検索してみればだいたいのことは間に合っちゃいますね。

参考にさせていただいたのはこちら。やんちゃきっ!な日々(2003-04-13) 。tDiariをインストールするのに、ロリポップは必ずしも最善とは言えないようですけど。

簡単とは言え、Movable TypeやWordPressと比べると、何とは無しに壁の高さを感じちゃいます。ぶっきらぼうと言えばいいかな。黙っていても教えてくれるわけじゃなく、自分でいろいろと調べないといけない。ある意味MTやWPよりも、日本産なのに、調べなきゃならないことが多いような気がする。

それはともかく、使ってみるといいですね、これは。特にお題も決めずダラダラ書いていくには最適。それこそ「今日は東京で4月としては19年ぶりに雪が降る」なんて身辺雑記のようなことも気兼ねなくかけちゃう。これはやはり「日記」だからってところが大。

まぁ、いわゆる「ブログ」でも同じことなんだけど、どうもそちらだと身構えてしまう。やはり人様にお見せするって意識が働くせいかな。

もっともtDiaryの方は公開してないって気軽さがあるせいとも言えるんだけれども。

そんなわけで活動の場を移すかもしれないです。こっちは感想文専用にしようかな。

4 月 4th, 2007, posted by

コーラ牛乳を知っているか?!

子供のころに飲んだ記憶があるのがコーラ牛乳。コーラを牛乳で割ったもの。

回りの人に尋ねても誰も知らない。と言うよりかなりネガティブな反応。まぁ、確かにコーラと牛乳の組み合わせなんて、うまそうには思えない。

だがしかし。記憶の中では不味いという印象は残ってない。そこで、実に久しぶりに作って飲んでみた。

常飲したくなるほどうまいかといえば、微妙なところだけれど、やはりこれは結構ありだと思うなぁ。

ほんとに知名度が低いのかと、Googleで検索したらこの通り。おおっ、結構メジャー(?)じゃないの。評判もまずまずみたいだし。

3 月 19th, 2007, posted by

いまも君はピカピカに光って……?

4月から『ちびまる子ちゃん』の実写版ドラマが始まるってニュースを見た。ドラマ自体は興味はない。ただ、何となく配役を見てビックリ。

おばあちゃん役が宮崎美子だなんて。

ご多分に漏れずあのミノルタのCM、「いまの君はピカピカに光って」でファンになっちまった口。いま見ればたいしたことない気もするけど、あの当時はインパクトあったんだよなぁ。

そんな彼女もおばあちゃん役だなんて。それもショックだけど、そんだけ自分も歳取ったんだと思うと二度ショック。

余談。

宮崎美子 - Wikipedia

雑誌『GORO』で、篠山が撮影するグラビアに登場する。ワンピース水着で乳首の隆起も露わなまま仰向けに横たわるカットは、現在までのところ宮崎の肉体露出度ナンバーワン写真と評されている。

ああ、それ持ってたぞ。まだどこかにあるのか!?

3 月 19th, 2007, posted by

何が何やらわからない

NHKテキスト

NHKの語学テキスト。

4月号からご覧の通り、若干の違いはあるもののすべて同じカラーで統一されていてちょっと見ただけでは何が何だかわからない。

毎月カラーを変えることによって買い間違いを防止するのが目的なんだとか。そりゃわかるんだけど、講座毎の区別がわかり辛いってば。

もうちょっとはっきりした違いをつけてくれよ。

3 月 17th, 2007, posted by

守護神/THE GUARDIAN

期待していた一本。レスキューって言葉には弱い。命懸で人命救助する姿に心打たれる。

沿岸警備隊が舞台だけど、レスキューの現場は最初と最後だけ。主な舞台は陸上。手に汗握る救助活動に感動する映画じゃない。

「守護神」と言う邦題は直訳しすぎでどうかなと思ったが、観終えて納得。ちゃんとオチがあるのだ。なるほど冒頭のシーンがね……。

ベン・ランドール(ケビン・コスナー)は沿岸警備隊のレスキュー・スイマーとして数多くの人を救助してきた生ける伝説とも言える存在。久しぶりのコスナー。い や、お年をとられました。寡黙で内に秘めた強さを見せる姿は渋くてカッコいいんだけど、役柄としては年齢的にちょいと無理があるような。

任務中に事故が起こり、要救助者を助けられないばかりか同僚までも失ってしまう。心に傷を負った彼は、レスキュー隊員養成学校の教官として赴任する。

そこで出会うのがジェイク・フィッシャー(アシュトン・カッチャー)。最初は問題児でランドールに反発していたジェイクだったけど、やがて訓練を通じて二人は強い絆で結ばれていく。よくあるパターンとっちゃえばそれまでだけど、それだけに安心して観てもいられる。

いくつか不満なところあげれば。ジェイクに向かって「君のことがよくわからない」と言うランドールのセリフがあるんだけど、私も同じ。どうして彼 がレスキュー隊員を目指すのかがわからなかった。最後に実は、って明かされるんだけど……。そんなことなら、入校そうそう「ランドールの持っている記録は 俺様が破ってやるぜ!」みたいな態度とるかな?

もう一つ。ニール・マクドノー演じる教官が訓練方法についてランドールと対立するような雰囲気があったんだけど、結局その後何もなく彼の態度があやふやなままに。あれはどうも居心地悪かったな。

訓練生の中にデュレ・ヒルがいた。けれどパンフレットには紹介なしなのね。やっぱり知名度低いのか。

なんだかんだ言ってもケビン・コスナーがいいぞ。常に救助の第一線に立っていたいと思うランドールが、終盤己の限界を知り引退を決意する。その姿が何とも言 えずいい。引き際の美しさってヤツだね。言い分けもせず、ジタバタすることもオロオロすることもなく、淡々とあっけなく去りゆく姿。あれはカッコいいよ。

あの枯れた味わいは、今のコスナーだからこそじゃないか。失礼な言い方かもしれないが、今が旬の俳優だとあの感じは出ないのでは。

まぁ、ともかく醜く歳はとりたくないよなぁ。ここまで、と思ったところでさっと舞台から降りる。そんな人生の幕引きについても考えさせられた映画だったのだ。

守護神
守護神

3 月 6th, 2007, posted by