酔眼漂流記

酒を片手に酔眼化する日々の記録


2004-05-09[日] 伊坂幸太郎 編集

▶︎ [読書][伊坂幸太郎]オーデュボンの祈り

名作というものは再読に耐えうるものを言うのではないかと思うのだが、その点からいっても本作はまぎれもなく名作なのだ。ちょうど先だっての入院中に読んだのだが、読む本も尽き仕方なく2度、3度と読み返したのだか、何度読んでもめっぽう面白い。読むたびに発見があり、むしろ読むたびに面白くなっていく、と言えるかもしれない。

それは伏線の妙。何気ない台詞、エピソードが実はどれも意味を持つ。読み終えて分かる大きなひとつの意味。再読してみれば、著者がいかに丹念に物語の種を埋め込んでいるのかが判る。パズルのピースひとつだけでも観賞に耐えうるのが、つなぎ合わせてみるともっと素晴らしい絵が出来上がる驚き。

典型的な悪意の記号として城山。思えば伊坂作品にはこうしたキャラクターが必ず存在する。人の悪意だけを固めて創った醜いもの。それに対して、島の道徳であり、ルールである桜。この辺り、著者の想いの一端を伺えるところなのかも。勧善懲悪、と言ってしまえば簡単だけれど。この部分では頑に正統派だよなぁ。現実はともかく、やはり悪は必ず滅びるのだ。ベタではあるけどそのカタルシスがたまらない。そんなところも伊坂作品が好きな理由。

「この島に欠けているもの」の正体は、期待していた分そんなものなのか、と思わなくもなく。ただ、途中でさりげなくその答えを提示しているあたりさすがだなぁ。それも、2度も。これも読み返してニヤリ。

非現実であって現実な世界。現実的なおとぎ話。決して荻島は楽園ではないけれども、それでもどこか郷愁を誘うのはどうしてだろう。夕暮れの田圃で案山子と語る、なんて生活もいいよなぁ。

オーデュボンの祈り (新潮文庫)
伊坂 幸太郎
新潮社
¥ 704


2005-05-09[月] 藤岡真 編集

▶︎ [読書]ギブソン

こいつは面白いです。評判が良さそうなので期待していたのですが、裏切られる事無く。読み進むにつれ深まる謎。いったいこの先どうなることかと本を置くことが出来ません。あっという間の読了でした。

待ち合わせ場所に日下部の上司である高城が現れず失踪してしまうところから物語は始ります。警察の捜査はよくある家出人と言うことで期待は出来ず、日下部は敬愛する高城のため自ら行方を追います。

あちらこちら出向いていって証人に話を聞く、といったスタイルはハードボイルドを連想させます。

聞き込みで次々と現れる不可思議な事実。待ち合わせ場所で聞こえた銃声らしき音、町内に出没する謎の消防車、血の付いた衣服を残して消えた老人、高城の生き別れた娘、跋扈するストーカー、日下部の前に立ちふさがる正体不明の脅迫者。

そして、時折挿入される不明の第3者の視点のパート。

とにかく膨大な伏線。もう全編伏線、といってもいいぐらいです。それらがどう繋がっていくのか。これまた全編謎だらけ。こうなれば最後がどう着地するのか、否が応でも期待が膨らみます。

バラバラだった事実が収まるところに収まり現れる物語の本当の顔。それまで牧歌的な雰囲気だと思っていたのが、結構シビアな結末。これだけの伏線をきっちりまとめあげた著者の力量は素晴らしい。もっとも、その複雑さが災いして、意味が判りかねる部分もあるんですけれどね。

今までで読んだタイプでいえば、テイストは伊坂幸太郎といったところでしょうか。それをもっとドライにした感じ。『オーデュボンの祈り』や『ラッシュライフ』が面白いと感じる人には大いにお勧めですね。

タイトルの「ギブソン」。真っ先に思ったのはギターのことだったのですが、カクテルのことなんですね。マティーニのバリエーションなんだとか。では、何故「ギブソン」がタイトルなのか。高城が愛飲していたと言うことがあります。が、最後に明かされるギブソン自体の由来に込められた洒落た意味。この物語の象徴でもあるわけですね。

それはともかく。今の気分は、「ギブソンを一杯!」。

ギブソン (ミステリ・フロンティア)
藤岡 真
東京創元社
¥ 1,785


2007-05-09[水] 編集

▶︎ [tDiary]amazon.rbがちょっと変?

altとtitle属性をちゃんと取得しない。どうやってもわからないので、最後の手段。ダウンロードし直して、インストールしてみた。で、解決。

とりあえず結果オーライはいいんだけど、気にはなる。プラグイン自体は動いてたんだもんなぁ。


2008-05-09[金] 編集

▶︎ [読書]シャクルトンに消された男たち/ケリー・テイラー=ルイス

シャクルトンに消された男たち―南極横断隊の悲劇(ケリー テイラー=ルイス/Kelly Tyler‐Lewis/奥田 祐士) 1914年、南極大陸横断に挑んだシャクルトンは、航海の途中船が氷塊に阻まれ氷の圧力により崩壊してしまう。以後2年近く漂流生活を余儀なくされるが、27名の隊員にひとりも犠牲を出さず奇跡の生還を果たす。彼は本来の探検は失敗したものの、絶望的な状況下から生還した手腕が讃えられて名声を得ることになるのだ。日本でも数冊本がでているので割と有名だろうか。

で、本書。シャクルトンには本隊とは別に支援隊がいた。彼らロス海支隊は南極を横断してくる本隊のために、補給所の設営目的で反対側に上陸した。その彼らの悪戦苦闘の冒険譚。

何が凄いって、彼らもシャクルトン隊と状況はそんなに変わらないのだ。孤立無援で自分たちの生存さえ危うい状況。しかし、補給所を設営しなければシャクルトンたちが危なくなる。彼らは他人のために過酷な環境の中、2年間にわたり極点に向けて命を懸けて踏み入っていくのだ。

しかもである。その当時の技術ではお互いに連絡する術が無く、当然シャクルトンが遭難したことを知らない。もはや必要なくなった補給所を黙々とに設営する彼ら。やはり人のために何かを為すという意識の高さが彼らを支えていたのだろうか。人の命が自分の肩にかかっていると思えば投げ出すわけにはいかないよなぁ。

それにしても、その計画は大雑把で杜撰だと思わずにいられない。探検の成功には欠かせない支援隊ではあるが、シャクルトンは本隊の準備に手いっぱいといった感じで、最初から見捨てられているといってもいい状況なのだ。そんな状況でも献身的な彼らの行動の凄み。そしてシャクルトンとは違い、その目的を達成するのだ。

しかし、皮肉なことにシャクルトンの「成功」のために彼らの偉業は「消されて」しまうのであった。

何だか人生の縮図を見ているようだ。

シャクルトンに消された男たち―南極横断隊の悲劇
ケリー テイラー=ルイス/Kelly Tyler‐Lewis/奥田 祐士
文藝春秋
¥ 2,000


2009-05-09[土] 島田荘司 編集

▶︎ [読書][島田荘司]最後の一球

奇跡が起こったよ石岡君

最後の一球 (講談社ノベルス)(島田 荘司)

これ、御手洗潔が出てくるけど番外編といった趣。まったくの脇役で彼がいなくてもいいようなお話。とは言え、やはり彼がいるから面白いのである。

それというのも御手洗がある意味手も足も出なかったケースなのだ。いつものように奇妙な依頼が舞い込んで調査に乗り出すんだけど、流石の御手洗にもどうする事が出来ない。彼もスーパーマンではない。そんなところが妙に面白かったりして。ニヤニヤしながら読んじゃいました

そこで話は一転して。メインの物語は一人の男の野球に掛ける情熱。夢と希望と挫折。そして友情。高校時代から注目を浴びる天才選手武智。一方で才能を努力で補ってきた竹谷。

竹谷の視点で物語は進んでゆく。そして、別々の道を歩みながら同じプロのチームに入団する事になる。まさに光と影といった二人だけれど、お互いに認め合う仲でもあるのだ。やがてある「事件」が起きて二人の人生を大きく変える事になる。

で、登場するのが「最後の一球」なのだ。

「二番手の男」が投じた友情と惜別の一球が御手洗も諦めかけた「事件」を打ち砕く!

ここで二つの物語がシンクロ。おお、まさに奇跡の一球……は言い過ぎだけど。「事件」の裏側をまったく別の物語で解き明かすといったスタイルなのか。なるほどね。

もっともミステリとしてみると島田テイストはそれなりにあるんだけどかなりライト。奇想、不可能犯罪なんてものを期待するとペケ。ミステリとして読んじゃいけないかなぁ。やっぱりこれは青春小説といった類いのものだよね。野球では名もなき二流の選手だった竹谷。でもその生き様に温かいものを感じる。そんな彼だからそこ、最後に放つ小さな奇跡が大きな感動を呼ぶんだよ。

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2011-05-09[月] 編集

▶︎ 久しぶりに自転車散歩

天気もまずまずなので、自転車で検見川の浜まで走ってきた。花見川沿いのサイクリングロードをのんびり流す。しかし、向かい風で結構しんどい。歩いている分にはあまり感じない風も、自転車で向かい風となるとこれがかなりの抵抗を生む。ちなみにこれが追い風になると逆。走っている間は風を感じないんだが、スイスイ進んじゃう。

検見川の浜久しぶりに検見川の浜に来たが、ずいぶん綺麗になったようで、休憩所も新しくなっているような。海ではウィンドサーフィンに興ずる人が大勢で賑わう。そんな姿をぼんやり眺めてくつろいでいたが、頭の片隅にはもしいま地震・津波が来たら、なんてことを思ってしまう。

海へと続く突堤海へと続く突堤。一時期閉鎖されていたように思っていたが、先端までいける。釣り人がチラホラ。昔むかしは、夜によく遊びに来たものなのだ。風が強く波がざわざわとどよめいている。突堤の中ほどで、そんな波を見ていると、まさに海の真ん中にいるようでちょっと怖い。

地震の爪痕おそらく先日の大地震の影響と思われるひび割れ。帰りに幕張メッセによってきたのだが、液状化現象のせいで地面の状態がひどい。波打ってたり、建物の下の部分が露出してたり。中にはこんな状態で大丈夫なのか、ってところもある。

赤橋子どもの頃の遊び場だった「赤橋」。昔から変わらず赤い橋だから赤橋。写真には後ろに橋があるが、当時はこの橋はなく、川を渡るにはこの赤橋しかなかった。と言っても、この端は通行用の橋ではなく、俺たちは柵を乗り越えて渡っていたのだった。しかし、この橋がなんなのかいまだにわかっていない。水が流れているので、水道管なんだろうと思っているのだが。そう思わなきゃやってられない。だって、あの頃その水を飲んでたんだから。


2012-05-09[水] 編集

▶︎ 人はいないし売上は悪い

本日は初っ端四人しかいない展開。今までで一番ミニマムな体制である。そんなんでも、全然問題ないほど悪い売上。