2004-09-19[日] 麻耶雄嵩 編集
▶︎ [読書]蛍
現在ミステリで使われるトリックは、もちろん全てがそうだと言うわけではないにしろ、過去発表されてきたトリックのバリエーションと言ってもいいのでしょうか。長年読んでいるといやななもんで、トリックに堪能しつつも「ああ、これはあれね」とかどこか醒めちゃったりすることもあるます。
本作のトリックも、元を質せば実にメジャーなトリックのバリエーションでしょう。が、その捻りが実に絶妙にして巧妙。こんな風に使うなんて見事だなぁ。これには、ものの見事に騙されました。結構読んでいる人程騙されるのかも。「こうくるんだろ」と勝手に身構えていたのを最後の最後で見事にひっくり返されました。
真相が判ったとき作者に仕掛けた罠の深さに一瞬何のことか判らなかったのはお恥ずかしい限り。じっくりと理解するにつれ、ジワシワのその出来のよさが判ってくる、スルメ状態。
読んでいる最中は、あまりにもお行儀のいいミステリなんで少しだけ退屈したのも事実。過去に惨劇のあった曰く付きの館。嵐によって閉じ込められる登場人物。そこで新たに始る惨劇。繰り返されてきたミステリのカタチ。もっとも著者は確信犯的にそういう作りにしているんでしょう。それはラストに訪れるカタルシスへのお膳立て、伏線。
最後にひとつだけ疑問。
登場人物たちは驚いていますけど、こっちが何か勘違いしている?
2005-09-19[月] 奥泉光 編集
▶︎ [読書][奥泉光]モーダルな事象
うだつのあがらない短大助教授の桑潟幸一(桑幸)は、ひょんなことから無名の童話作家溝口俊平の遺稿と出逢う。桑幸がこれを世間に発表すると反響を呼び、出版すれば大ベストセラーに。しかし、担当の編集者の首なし死体が発見されると桑幸の身にも不可解な出来事が。 フリーのライターの北川アキは元夫の諸橋倫敦とともに事件に首を突っ込むのだが……。
奥泉作品で読んだことのあるのは『グランド・ミステリー』と『ノヴァーリスの引用』です。それに比べるば真っ当なミステリに仕上がっています。まぁ、「一応」という言葉が続きますけど。
本作でも、虚構と現実をフラフラと彷徨う展開は、とても不安な気分にさせられます。自分の立っている場所が何処だか分からなくなる感覚でしょうか。桑幸の体験する出来事は彼の夢なのか、彼自身が実際に過去へと飛んで経験しているのか判別できないのです。何が本当のことなのか混沌とする世界。
怖い夢を見たんだけど内容が少しも思い出せないもどかしさ。結末は知っているはずなのに、何も判らないという焦燥感。なんだかイヤーな感じなのです。はっきりと細部まで「見える」描写なのに肝心なところは語らない。想像力が駆り立てられて怖い怖い。
それでも、桑幸の憎めないキャラクターと全体を包むユーモアによって、前に読んだもの程息苦しさはありません。最初はかなりくだけた感じで戸惑いました。こういうのも持ち味なんですね。
そしてホラーのようなSFのような桑幸のパートと表裏一体なのが、北川アキと諸橋倫敦の自称元夫婦刑事(ほんとの刑事じゃないけれど)のパート。ミステリとしての骨格はこちらが担っています。面白いのはこのふたりは直接事件に介入しないという点。
ミステリ好きの倫敦の台詞。
要するに今度の事件を一個のテクストと見なし、これを読み込んでいこうとするわけだから、小説を読むのと本質は変わらないんじゃないかな。
「現実」の事件をミステリ小説として「読む」という訳なのです。お互いのパートはほとんど接点がなく、元夫婦刑事はごく普通のトラベルミステリ風なので、一層桑幸のパートが「現実」の出来事に思えなくなってきます。虚構と現実をさまよう浮遊感を味わえるのですね。二つの全く違う話を読んでいるようで、しっかりミックスされている不思議な味わい。
殺人事件の決着は付くものの、事件の真相が語られるのは、桑幸のパートの方なのです。これがくせ者。そこで語られることは本当のことなのでしょうか? どれが、何処までが現実なのでしょう。ああ、結局最後はまた惑わされてしまうのです。やはり普通にミステリとして読むとキケンかも。
余談その1。溝口俊平の遺稿が、その内容にかかわらず、何故か売れてしまってベストセラーになるってのは、ある意味昨今の出版界への著者の皮肉なんでしょうか。
余談その2。何故だか井上ひさしの『吉里吉里人』を連想。勝手に桑幸が古橋のイメージに重なってしまって。
2007-09-19[水] 編集
▶︎ 開店休業
みたいなもんだな、今の状態は。
そう言えば、駅前の昔からあったラーメン屋がつぶれた。ここだけじゃなく、飲食店は結構閉店しているなぁ。店は出来たものの、そのまま開店することなく閉じたままの店もあるし。この街も先はないのか?
2009-09-19[土] 編集
▶︎ しげるちゃん
本日の売り上げは好調であった。連休前にお金をおろして、皆さん懐が暖かだからか?
仕事帰りにしげるちゃんに寄る。ちょっとの1杯のつもりが、そこそこ飲み食いしてしまう。旨いからいいんだけどね。
昨日のクレヨンしんちゃんの件。群馬県の荒船山で遺体が発見された。まだ、確認されていないようだが、本人の可能性も。
2010-09-19[日] 編集
▶︎ 売上動向
午後から出勤。午前中はあれこれサイトを弄る。しかし、ロリポップがやたら重い。あとで確認したら、DDosによってる高負荷で障害が出ていた模様。
一昨日の花とゆめコミックスの新刊、思いのほか売れ行き好調で品切れ寸前。もっと手配すればよかったかぁ。うーむ、まだまだ見極めが甘いのぅ。同時に出たマガジンやサンデーのコミックより、率としては売れているような。やっぱりうちの店は女性の方が強いのかな。それにしても売れる売れないとうのは、判断が難しい。前の巻の売れ行きから新刊の入荷数を決めるんだが、前回全然売れてないのが、今回はそこそこ売れたり。わからないなら多めに、ってことも返品の枠があるので出来ないしなぁ。
わからないといえば、昨日一昨日と突如売上が上がったこと。もろもろの因果関係がしっかり分析できるといいんだろうけど、難しい。今回に関しては、20日の給料日が祭日で、17日に繰り上がったってことがあるんだろうか。
2013-09-19[木] 編集
▶︎ ワサビがない!
仕事帰りに酒の肴に刺身を買ってきた。帰ってあけたところ、なんとワサビが付いていない。醤油だけだと、味気ないんだよなぁ。
で、考えた。粗挽きこしょうと塩を混ぜたものを。こいつを付けて食してみたら、思いのほかに旨し。酒の肴にぴったりなのである。
2015-09-19[土] 編集
2016-09-19[月] 編集
▶︎ 手帳の季節
来年の手帳が店頭に並ぶ季節。今年は、ほとんどほぼ日手帳を使うことがなかった。さて、来年はどするか。
過去のほぼ日手帳を引っ張り出してみる。最初のが2006年。もう10年も、一応、使っているのか。残念ながら2007年版は欠番。10年使っているとはいえ、使いこなしているとはいえず。必要ないといえば必要はないんだが、今更やめちゃうのも気がひける。
来年こそは、とまた買うことになるだろう。