酔眼漂流記

酒を片手に酔眼化する日々の記録


2004-01-06[火] 横溝正史 [長年日記]

▶︎ [読書][横溝正史]本陣殺人事件

記念すべき金田一耕助デビュー作

そして国産の、というより密室トリックの白眉といって過言ではない作品。

突き詰めれば単純なかつコケ脅し的なトリックなのだが、そこから醸し出される雰囲気が素晴らしい。物語の中にしっかりと溶け込んでいるのだ。まさに純和風

事件当夜に鳴り響く琴の音色のシーンの恐ろしさ。実際に真夜中に聞けばそれはもう腰を抜かしますって。でも単に恐ろしいだけではないのだ。恐ろしくも美しくのだ。これは横溝作品のひとつの特徴だと思うのだが。なんと言ってもこのトリックが発動される様を想像するとその美しさに身震いするぞ。

また、犯人はなぜ密室にしたという理由も納得できるもの。その辺の処理の仕方はうまいと思うなぁ。時々、理由もなくトリックのためだけに密室が出てくる作品ってのに出くわすときもあるからね。まぁ、それはそれなんだけど。様々に張り巡らされた伏線が金田一耕助によって収束していく様も圧巻。何はともあれご一読を。古典ではあるけど、今読んでも新鮮だと思うぞ。

本陣殺人事件 (角川文庫)
横溝 正史
角川書店(角川グループパブリッシング)
¥ 660