酔眼漂流記

酒を片手に酔眼化する日々の記録


2004-01-10[土] 大倉祟裕 [長年日記]

▶︎ [読書]七度狐

古式ゆかしいミステリなのだ。豪雨によって陸の孤島と化した村。典型的なクローズド・サークル。見立てによる連続殺人。過去の因業が現在に災いをもたらす。出だしから期待大。何を今さら的な設定でもやはりミステリはこうじゃなきゃ。

ワクワクしながら読み始める。こうした嗜好はやはり横溝正史によるところが大きい。よってどうしても対横溝作品ってことが尺度のひとつになる。そうしてみると・・・、どうもモッサリした感は否めない。いろいろと突っ込みどころ満載なのだ。

まず、この見立て殺人はかなり微妙だ。地味なのだ。指摘されなきゃ見立てだと気付かないだろう。判る人にしか判らない。もっとも、この場合は犯人の意図としてはそれでいいんだろうけど。でもやはり見立て殺人は極彩色に強烈にやっていただきたい。これだと何故犯人はそんな事をしたのかって興味が弱いのだ。

何故杵槌村で一門会を行う事にしたのか。物語の構成に関わる重大な事だと思うのだけれど、説明がなかったような。読み逃している?

最大の問題点は牧の推理にもどうも納得がいかない。犯人に気付いた点として、牧の言葉を借りると(以下伏せ字)

どうも消化不良。見事には騙されなかったなぁ。

七度狐 (創元クライム・クラブ)
大倉 崇裕
東京創元社
¥ 1,785