酔眼漂流記

酒を片手に酔眼化する日々の記録


2004-01-15[木] 横溝正史 [長年日記]

▶︎ [読書][横溝正史]悪魔の手毬唄

個人的に一番思い入れのある作品。過去に起こった悲劇に端を発する惨劇。横溝正史お得意の見立殺人炸裂。手毬唄に倣って繰り広げられる殺人は恐ろしく、そして美しい。悪魔の構図のごとく死体をデコレーションする様は一個の芸術作品を思わせる。これに限ったことではないが横溝作品はどれもビジュアル的だ。

しかし、その見立殺人なのだが著者は見立てがお好きなようでほかの作品でも盛んに用いているのだけれど、見立て自体に余り意味がなかったりするのだよなぁ。本作でも犯人の意図は一応説明されてはいるけれど、もう一つ弱いと言わざるを得ない。なんて事をいっていますがそれは決してマイナスにはなっていない。横溝正史は必ずしもロジックで読ませる作家ではないから。要するにご機嫌に効くスパイスなのだ。普通に殺されてたりしたら、もう面白さ半減な訳で。

本作は"顔のない死体"の問題も盛り込まれており著者はどう決着とつけるのかも見物。私はビックリ仰天しましたけどね。

余韻のあるラストシーンもいい。 余談だけれども、このラストシーンに関しては石坂浩二主演の映画版の方が断然お気に入りだったりする。

悪魔の手毬唄 (角川文庫)
横溝 正史
角川書店(角川グループパブリッシング)
¥ 740

▶︎ [Movie]THE GETAWAY

ゲッタウェイ [DVD] スーパーチャンネルにて映画『ゲッタウェイ(THE GETAWAY)』を観る。アレックス・ボールドウィン、キム・ベイシンガー主演のリメイクの方。

ちなみにオリジナルはスティーブ・マックィーン、アリ・マッグロー主演でした。オリジナルはマックィーンともども大好きな映画の一つ。そんなわけで、公開当時は興味はあるものの観るのを迷っていた一編。さて、リメイク版の出来具合いはいかに。

観て驚いたのは、結構細部までオリジナルの忠実なリメイクだということ。そういった意味では、面白味には欠けるかな。演じている人間が違うだけなんだもの。もう少しオリジナリティがあってもいいのでは。思いきってラストをかえちゃうとか、ね。まぁ、それだけオリジナルは完成度が高かったということなんでしょう。

何と言っても断然マックィーンの方がかっこいいし、同じプロットでも雰囲気はオリジナルの方がいい味を出していると思うのだ。泥臭いけど、なんだか哀愁があって。この辺は監督のサム・ペキンパーの個性なんでしょうか。クライマックスの銃撃戦もペキンパー節炸裂。関係ないけど、この映画でショットガンというものを“見直に”感じたんじゃなかったかな?

ただ、アリとキムが演じた妻役のキャロルのキャラクターがが新旧では若干違う。アリの方がどちらかといえば耐え忍ぶって感じだったのが、キムだと結構強い女性という感じでしょうか。旦那に殴られれば殴り返すは、銃はバンバン撃つは。この辺は“イマドキ”ってことなんですかね。

何と言っても最終的にはマックィーンがカッコ良くて○なのです。

ゲッタウェイ デジタル・リマスター版 [DVD]

ワーナー・ホーム・ビデオ
¥ 2,110