酔眼漂流記

酒を片手に酔眼化する日々の記録


2004-04-30[金] 福井晴敏 [長年日記]

▶︎ [読書][福井晴敏]終戦のローレライ

著者がガンダムの小説を書いているせいか、どうもガンダムの影が目の前をチラチラするのは邪推し過ぎか。しかし《ローレライ》ってどう考えてもアレを連想してしまうのだが。そんなわけでキャラクターのイメージが、折笠はアムロ、フリッツがシャアに勝手に重なる。もちろんガンダムとは全然関係のないお話だし、なにより邪推は全く問題にならないほどの面白さ。

ただ、『 亡国のイージス 』と比べるとどこかイメージがちょっと違う気がする。いい意味での大ボラ話になっていると言うか。でも、戦闘場面は確かに大迫力で面白いんだけど、よーく考えればそんなことはあり得ないだろうとツッコミも入れたくなるなぁ。『沈黙の艦隊』じゃあるまいし、そんなピンポイントで魚雷なんてものを撃てるのかよ。キャラクターにしたって、『亡国のイージス』のキャラとかなり重なったり。

なんて事言ってますが、やはりそんなことはどーでもいいくらい、脳みそガシガシ揺さぶられるぐらい面白い。読むのに腰が引けそうな分量だけれども、要所要所に配置された山場により片時も飽きさせない。特にクライマックスのぽんこつ潜水艦対米機動部隊だけでも鳥肌もので熱くなること請け合い。

迫りくるタイムリミットの中、絶望的な状況下でも戦う男たちの姿は美しくそして哀しいのだ。もう熱い涙なくして読めない展開。男気を揺さぶる一作。この圧倒的な分量を苦にならずに読ませる著者は、結構童顔なのにすごいなぁ、ってそれは関係ないか。

この話はもちろんフィクションだけど、過去において日本と世界が戦争していたってことは事実。どこで見たのか忘れてうろ覚えだけど「人類は戦争から何も学んでない」という言葉。そんなことがふと思い付いたりもした。未だに最終的な《国際的問題解決》は武力だったりするもんなぁ。彼等は何を護るために戦い死んでいったのか。そもそも何のために戦ったのか。戦争は必要なのか。正解のない問題だけれども、しばし作者の問いに想いを馳せてみるのだった。

終戦のローレライ 上
福井 晴敏
講談社
¥ 1,785

終戦のローレライ 下
福井 晴敏
講談社
¥ 1,995

▶︎ [Movie]映画『アルマゲドン』

今更ながら『アルマゲドン』を。以前から観たい映画ではあったけれど結末を知ってしまったのでなんとなく食指が動かなかった。できれば避けて欲しい結末なんでね。そんなわけで、初めて観たわけなんだけどそれほどは楽しめなかったかなぁ。

この映画のウケたのってクライマックスのブルース・ウィルスとリブ・タイラーのシーンあたりにあるんでしょ、きっと。これを描きたかったんだと思うわけ。ここでワーッと盛り上がってね。 だとするとそこまでの過程がいかがなもんかなぁ。スペースシャトルの打ち上げのところからしか観てないんだけど、これでもかってぐらいの危機また危機の連続で、激しい派手なシーンが続く。

でも、どうも力技任せで嘘くさいんだよなぁ。 映像表現だからといってしまえばそうなんだけど、スペースシャトルがあんなにアクロバティックな飛行ができるんかい?あんなに2機接近して飛行できるんかい?そもそも、小惑星だかなんだか知らんが、そんなもんに着陸できるんかい?

しかし、そういう点はここではマイナスとはしない。映画としてはそれはそれで、面白いからね。何が問題かといえば、あの展開からいくと最後はハッピーエンドで終わらないと面白くないわけ。とてつもなく難しいミッションを多大な犠牲を払って、しかし最後には成功するカタルシス。

もちろんこの映画も地球は救われるからハッピーエンドと言えば言えるけど、私的にはどうも救われないのよ。ブルース・ウィルス死んじゃうし。主人公が死ぬのはどうもなぁ。

かといって、主人公が死ぬからつまらないというわけでもなし。バランスの問題かな。『アルマゲドン』はミッションの途中で人が死に過ぎてる。例えば誰も死ぬことなくいろいろな危機を乗り越えてあと一歩のところまで来る。が、最後にきて問題発生。そしてひとり残るブルース・ウイルス。こんな展開なら最後の親娘のシーン、もっと感情移入できて盛り上がる。と思うのは好みの問題?

それはともかく、最近の映画って映像の上では何でもできちゃうからそれに頼りすぎちゃってる感があるって思うのは傲り過ぎかな。

アルマゲドン [DVD]
ジェリー・ブラッカイマー/ジョナサン・ヘンスレー/J・J・エイブラムス
ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
¥ 924