酔眼漂流記

酒を片手に酔眼化する日々の記録


2004-10-09[土] [長年日記]

▶︎ [Movie][横溝正史]映画「獄門島」

これもずいぶん久しぶりに観るなぁ。改めてこうして観ると、「ムムッ?」と思ってしまったり。ご存知の通りこの映画では、原作と結末が微妙に違うのだ。映画はそれはそれで原作の雰囲気を壊さないように纏まっていると思うけれど、少しやり過ぎの感じがしないでも無いなぁ。いかにも悲劇性を強調するようで、オリジナルに比べるとあまり好きではないよ。

そもそも横溝正史がやりたかったのは、実は本当の真犯人は○○でした、ってことだと思うんだけど、その点が薄れてしまっているよね。それに映画版の犯人の動機が解るようで解らない。要するに和尚の為ということなのかなぁ。

とはいえ、オープニングから雰囲気は観ていて鳥肌もの。解決シーンまでは完璧。なにより自分の中での登場人物のイメージがドンピシャリ。三人娘(ひとりは浅野ゆう子!)の愛嬌のある禍々しさは見事。鵜飼章三役のピーターも決まっているし(もっとももう少し見せ場があっても良かったような)。黄門様も出ていらっしゃったのね。他のキャストの皆さん存在感のある人ばかりで、見ていて飽きさせない。脇役であっても端役ではないのだ。冗舌なシーンがひとつもないよ。

映画としては充分面白いと思うけれども、前2作の「犬神家の一族」「悪魔の手毬唄」から比べてみるとやや落ちると思うよ。原作の面白さを活かしきれていないかな。前が興行的に大成功だったので、いろんな意味で色気が出てしまったせいなのかなぁ、と邪推してみたりね。結末を変えるのはね。それがやはり物足りなさを感じるポイントなのだ。そして、この後2作は“映像化”ではなく”映画”になっていってしまったなぁ。

獄門島 [DVD]

東宝ビデオ
¥ 3,845