酔眼漂流記

酒を片手に酔眼化する日々の記録


2005-03-07[月] LORELEI [長年日記]

▶︎ [Movie]ローレライ

「ローレライ」を観てきました(多少内容に触れていますのでお気をつけ下さい)。福井晴敏の『終戦のローレライ』の映画化。もっとも原作というよりも、ひとつの発想が方や小説となり、そしてひとつがこの映画になった、ということです。別のものと言ってもいいのかもしれません。

それでも、原作を読んだ方がより楽しめるのは確かかもしれないです。ストーリーの密度が高いため、初めて見ると解り辛いかも。映画の短い時間の中で、スパッとそぎ落とされた情景からキャラクターたちの心情を読み取っていくのも、ちょっと苦しいのではないかなぁと。逆に小説を知っていると「えー!?」と思う部分もあるんですけどね。

見る前は一抹の不安もありました。宣伝は面白いのに、ってことがありますものね。自分の中でも結構盛り上がっていただけに、もしもの覚悟だけはして映画館へ。しかし、それも杞憂でした。面白い。そして泣けます。細かいところはツッコミを入れたくもなりますけど、まずはとても素敵な「おとぎ話」です。見事な大風呂敷と言えましょうか。「嘘っぽさ」がなくて、最後までキチンと大嘘を突き通してくれてます。

帰って来てから、思い起こされるシーン。小説同様最後に折笠とパウラは切り離されます。小説を読んだ時には気になりませんでしたが、その決断をした艦長の想いが今はとても素直に伝わってきます。それは、実際に存在する折笠とパウラを見たせいかも知れません。その存在の確かさ。私も艦長と同じ世代。父親の気持ちってヤツでしょうか。

「大人が起こした戦争におまえ達若者を頼りにして悪かった。俺たちは自分以外の何か見えないものに身を委ねる生き方しかできなかったけれど、おまえ達は自分の目で本当に大事なものを見極め、守り抜け」

絹見に責任があるわけではもちろんないけど、あの場で、兵器として生きることを背負わされたふたりを、戦争の呪縛から解き放ってあげるのが大人としての努めだと思うのです。大人であることの意味。責任の持ち方。潔さ。別に大したことをしなくても、大人はいい加減だなと思わせないこと。それが次の世代へと引き継ぐ大人としてのけじめなんだろうなぁ、とぼんやり思うのです。そんなことをメッセージとして受け取りました。

とまれ、もういちど映画館に行くのもやぶさかではなく、DVDが出れば買うな、と言って出来具合なのでした。

ローレライ [DVD]
福井晴敏/島谷能成/関一由/千草宗一郎/大月俊倫/鈴木智
ポニーキャニオン
¥ 2,500