酔眼漂流記

酒を片手に酔眼化する日々の記録


2005-12-30[金] 島田荘司 [長年日記]

▶︎ [読書][島田荘司]魔神の遊戯

スコットランド、ネス湖の畔の小村で起る奇怪な殺人事件。魔人の叫び声が村を覆い、被害者は五体を引きちぎられてバラまかれる。驚天動地の謎。相変わらずド派手な展開。

読んでいる最中ずっと違和感がありました。もしかしたらコレはアレなのでは、と深読みしていたらその通りで逆にビックリ。島田荘司がこういうことをするってのが、意外なのでした。

初めて読むならいざ知れず、ある程度読んでいる人はアレにづくのでは? 少々不自然、ですよね。根が正直じゃないもんで穿った見方をしているせいなのかなぁ、もしかして。

物語自体は面白く読めました。気分は子供の頃、「少年探偵団」を読んだ時の心のときめき。荒唐無稽、突拍子もない事件にワクワクさせれるのです。被害者は頭や手足を引きちぎられ—切断じゃなくて—バラ撒かれるといった始末。それはあたかも巨人の仕業のごとく。勿論巨人なんている分けないと思いつつも、しっかりその気にさせてくれるところはうまいなぁ。

しかしながら。いったい犯人は何故こんなことを、ってのは最後に当然明かされて、それはそれで納得できる理由ではあります。不可解な出来事にちゃんと解答を与えてくれます。けれど、後出しジャンケンっぽくっていまいちスッキリしない。そもそも犯人の動機がよく判らないのですね。あの人は初登場ってわけじゃないのでしょうか?

スッキリしない一番大きな理由はアレのせいでしょうか、やっぱり。この本のメインディッシュはアレで、そこのところでビックリする作品ってことなのかな。その点に疑心暗鬼だった私にはビックリがちょっと足りないのでした。まぁこれ、もとは文藝春秋の「ミステリーマスターズ」の一冊として出されたもの。御手洗潔の番外編と思えばいいのでしょうか。

魔神の遊戯 (本格ミステリ・マスターズ)
島田 荘司
文藝春秋
¥ 1,950