酔眼漂流記

酒を片手に酔眼化する日々の記録


2006-06-28[水] [長年日記]

▶︎ [Movie]インサイド・マン

なかなか洒落た映画でした。銀行強盗の完全犯罪。犯罪映画と言えどもダークな部分、重い雰囲気はほとんどなし。むしろ、どちらかと言うと喜劇的な印象。もちろんお笑い映画じゃないけれど、噛み締めるとどこか可笑し味がジワッと出てくるといった感じ。

特にデンゼル・ワシントン。今まで、彼には固いという印象があったけれど、今回はとても碎けたキャラクターで、そう思わせるってのもある。人質の一人が射殺されて怒り狂って走り出す(?)シーンがあるんだけど、何故か笑える。何故といえばこのシーンは台車に乗って引っ張られているんだと思う。要するに直立したままズンズン進むワシントン。これって違和感があって妙におかしい。

他にも思わずニヤリとしてしまうシーンや台詞があって、ああ、これは喜劇だなぁと。

犯人たちの完全犯罪の行方は興味津々だったんだけれど、割とあっけなかったかな。なるほどねぇ、とは思ったけど、完全に騙されたというほどではなくて。ちなみに一番騙された映画といえば『スティング』だ。犯人対警察の頭脳戦を期待するとちょっと違うような。

犯行の真の目的が判るようで判らない。かれらの目当ては、アレだった訳でしょうか。で、もうひとつのアレは、まぁ付録みたいなもの? 犯人の動機の部分は語られない。想像してねってスタンスなので、凡庸な頭の私にはもうひとつ判りづらい。どちらが主なのかでかなり印象が変わりそうだ。

この「付録」みたいなものに絡んでくるのがジョディ・フォスター。事件は犯人、警察との三つ巴の様相。ストーリーとしては面白さをプラスする要素なんだろうけど、やはり私にはどうも未消化な部分。かれらは単なるドロボーさんだったのか?

ただ、この映画は結末が判ってから見ても十分楽しめる映画だと思う。むしろその方が面白いかもしれない。あのシーンにはこんな意味が (例えば途中で人質の入れ替えをするシーンあって、あそこで何かやってるんだけど目的が判らない)、とかこんなところに伏線があったなんてと、一粒で二度美味しい映画かも。

そもそも冒頭のシーン。主犯格のクライブ・オーウェンが「私は銀行を襲う完全犯罪を計画し、そして、実行する」と観客に向けて語るシーン。実はここにオチが隠されていたなんてのは、判った瞬間にうれしくなるよね。最初に見た時には判らないのは当然だけれど、実はそこで答えを示しているなんて演出はいいよなぁ。タイトルってこの辺りからきてるの?

インサイド・マン [DVD]
テレンス・ブランチャード/ブライアン・グレイザー
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
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