酔眼漂流記

酒を片手に酔眼化する日々の記録


2006-08-23[水] 折原一 [長年日記]

▶︎ [読書]行方不明者

行方不明者(折原 一)

思わせぶりな場面が描かれるプロローグ。初読ではまったく意味が判らなくて謎なのです。これから始る物語への興味が否が応でもかき立てられるオープニング。

本編は、別な場所での二つの事件の顛末が描かれていきます。ひとつ目はある朝、忽然と一家四人が消えた謎。それはまさに原題の「神隠し」としか思えない事件。女性ライターの五十嵐みどりはひとりその謎に迫るべく、関係者に取材していきます。

もうひとつが通り魔殺人事件。偶然その現場を目撃することになった売れない推理作家の「僕」は、この事件を小説の題材に使おうと思い立ち犯人を秘かに監視します。

別の場所で起るこの二つの章が交互に展開して物語は進んでいきます。交わらない二つのパートは、やがてどのようにクロスするのか。興味はそこに集中していく訳ですね。まったく繋がりようのないものが、最後にどう着地するのか。

物語はそれほど抑揚もなく淡々と進んでいきます。読み進めるうちに、真相に近づいていると感じることも、増々謎が深まるということもなく。この辺り面白みに欠けると言えばそうですね。残りページも少なくなって、この先どうなちゃうのか不安になりましたよ。

最後に、一気に真相が明かされるので、実は理解が追いつかないなんてことはありましたけれど。驚くべき展開ではあります。良くも悪くも。

接点のない二つの事件が、実はそれと知らずお互いに影響を及ぼしていたという結末はなかなか読み応えがありました。因果応酬と言いますか。

最後にプロローグの意味深な場面の意味が判るという仕組み。読み終えると判るんですが、実は結構重要な場面だったりして。

ただ、その真相と言いますか結末は、いかがでしょう。色々と突っ込みたくなるのも事実。そもそも、一家4人が消えた謎が大した事無く……。

そして、登場人物への共感度が低いのです。どうにもその行動が不自然に思えてしまう。物語への共感度が高いほど面白いってことでは、これは残念ながら面白いとは言い難いです。

謎解きとしてではなく、全編を覆う陰鬱な雰囲気を味わうのが楽しみ方でしょうか。この後味の悪い結末も、決して嫌いじゃないですし。ダークな気分にさせてくれる一編でした。

行方不明者(折原一/文藝春秋)»セブンアンドワイ icon

▶︎ Gmailが登録制に

今まで招待制だったGmailが、登録制に移行。申し込めば誰でも使えるようになったそうだ。今日現在、米国やヨーロッパではまだ登録制は導入されていない。先日始ったオーストラリア、ニュージーランド、そして今日から日本が追加になって三か国。ウーム、どういう基準なんでしょうね。

それはともかく、さっそく登録してみた。

申し込みが殺到して、なんて事を想像してたら、実にあっさりと受付終了。

さて、使い心地はどうでしょう?