2007-05-23[水] 道尾秀介 [長年日記]
▶︎ [読書][道尾秀介]骸の爪
『シャドウ』が面白かったので、道尾秀介を読むぜぃシリーズ第2弾。
巷の評判はすこぶるいい。期待して読んだんだけど、うーむ。やはりあれか、期待が大きい分、感想も渋めになるか。そつなくまとまった良品ミステリ。極普通のミステリだから逆に評価が高い、ってことでもあるのか。
クライマックスの畳みかけるような展開は、こちらの読みを壮快に裏切ってくれて○。だれだれが犯人でした、で終わらせないで、次々と意外性を演出するところが非凡なところ。ちゃんと伏線を張っておくその手腕。
それでも正直地味かな。まぁ、派手なのがいいってわけじゃないんだけど。どうしても「もっと刺激を!」ってことになっちまうわけでありまして。インパクトのあるトリックがあるわけじゃなし。確かに張り巡らされた伏線の回収は見事だけれど、超絶に凄いって訳でもなし。
後になってから内容を忘れちゃいそうなんだよなぁ。
▽骸(むくろ)の爪(道尾秀介/幻冬舎)»amazon.co.jp
▶︎ 斬り抜ける
必殺のスタッフが制作した時代劇。なるほどそう言われればそんな雰囲気。題字は糸見渓南だし、CMの際のタイトルの入り方とか。エンディングは夕日バックだしなぁ。
視聴率は芳しくなかったようで。ま、確かに毎回見てぇ、と思わせることはないかな。
ただ、その殺陣は型通りの立ち回りと違って面白かった。山賊と闘うために刀を何本も用意*1する道家鋭三郎(志垣太郎)。で、彼の立ち回りが勢いにまかせて刀を振り回すようなもので*2、しかも簡単に刀が折れる曲がる。なまくらな刀はそんなものだった、なんてナレーター*3が入ったりね。カッコ悪いのがカッコいいのさ、なんて思ってるオレにとってはなかなかウケた殺陣であった。