酔眼漂流記

酒を片手に酔眼化する日々の記録


2009-04-16[木] [長年日記]

▶︎ [バイク][読書]虹色にランドスケープ/熊谷達也

虹色にランドスケープ(熊谷 達也)

バイク乗りにまつわる7つの物語。バイクは出てくるけれど、レースとかの話ではなく、あくまでも主役は人間。それぞれの人間模様。出会いと別れ愛憎の物語。

短編集だと読み始めたら実はすべてが少しずつ重なっていて、関係ないと思っていた話が実は……、ってその構成が実にうまい。第1話のやるせなさをが山葵のようにあとから効いてくるのだ。思わず目頭が熱くなりましたぜ。

決してハッピーエンドということではないんだが、ホッとさせられるのはバイクの魅力なのか。ライダーなら誰しも共感できる、かもしれない。それは走っている時に感じる清々しさと同じもの。走っている時は、良いことも悪いこともなくただ一生懸命だものね。

「年齢がいってもバイクから降りられない人間は、多かれ少なかれ、どうしても埋められない穴ぼこを心に抱えていてね、それを少しでも埋めようとして、バイクに乗り続けているようなものだ」

そんなカッコいい理由で乗っているわけではないんだが、でも病みつきになる魅力があるのだ、バイクには。

読んだ後にバイクに乗りたくなる1冊。

余談。実はこの本ずっと積読状態。買った時には、まさか自分もバイク乗りになるなんて思っても見なかったなぁ。

虹色にランドスケープ(熊谷達也/文藝春秋)»amazon