酔眼漂流記

酒を片手に酔眼化する日々の記録


2010-01-19[火] 北國浩二 [長年日記]

▶︎ [読書]リバース

主人公の省吾はメジャーデビューを夢見るバンドマン。彼には誰もが振り向くような美人の彼女・美月がいたのだが、エリート医師・篠塚に奪われてしまう。大ショックな省吾だが、ある理由で篠塚が殺人鬼で、美月は彼に殺されることを「知って」しまう。そこで美月を守るため省吾の大暴走が始まるのだが、それってストーカー以外の何ものでもない。彼の行き過ぎた行動に周囲の人間もドン引きだが、読んでるこっちもドン引き。あまりのイタさに途中で読むのをやめようかと思った。

ここからちょいとネタバレ気味。

ただ、そこを著者は狙っているんだろうな。前半部分と後半部分の見事な「リバース」というわけか。ただ違和感もある。前半の直情的ストーカー野郎が、知的な名探偵に変身というのはどうもなぁ。「いいお話し」にまとめちゃってるのもどうかと思うしさ。前半であれだけぐだぐだいってたのが、あっさり「犯人」を許しちゃうのは納得いかない。あれだけもだえ苦しんでたんだから、簡単に達観するんじゃいよ、省吾君。オレとしては後味の悪い結末を望むのであった。

問題なのは、美月が全く魅力的に描かれてないってことだろう。魅力的もなにも個性がない。他の女性陣たちにはそれなりの魅力があるのにさ。

リバース
北國 浩二
原書房
¥ 1,680