酔眼漂流記

酒を片手に酔眼化する日々の記録


2010-09-04[土] ジェフリー・ディーヴァー [長年日記]

▶︎ [読書][J.ディーヴァー]クリスマス・プレゼント

リンカーン・ライム・シリーズでおなじみのジェフリー・ディーヴァーの短編集。邦題よりも、原題の"TWISTED(捻り)"のほうが、本書をよく表している。実に捻りの効いた16の短編集。

まず最初の「ジョナサンがいない」でやられた。騙されないよう警戒しながら読んだにもかかわらず、全く意外な結末で驚かされる。ディーヴァーって人は、詐欺師としても一流なんじゃないか。

「三角関係」も上手い。見事に騙された。一言も嘘はついてないんだけど、本当のことも書いてない。先入観というのをうまくつくんだよなぁ。

「ノクターン」は読んでハッピーになれる一編。どんでん返しはないけれど、こうならいいなという結末を見事に叶えてくれて、逆に驚いたり。ちょうど真ん中あたりで、一服の清涼剤。

次の「被包含犯罪」は法廷ミステリとして見事。有罪確実と見られた極悪人が、一転して裁判では無罪の可能性が高くなる。検事の放つ最後の一手。勝つのは被告か検察か? 最後までハラハラドキドキ。何気なく読み過ごしているところに伏線があって、上手いんだよなぁ。

邦題にもなっている「クリスマス・プレゼント』はリンカーン・ライムの一編。クリスマス・イブに起きた母親の失踪事件。無事解決と思わせて…。ライム以下おなじみのキャラクターたちが登場して安心して読める。短編といえども手を抜いていなくて、長編のミニチュア版。ただ、逆に言うともっと違ったお話を期待しちゃったりして。

最後の「ひざまずく兵士」も凄い。特に最後の数行に戦慄、なんて書くと大げさだけど、よくできてるんだよなぁ。チラリと別の姿が見える結末。果たして真実とは?

ジェフリー・ディーヴァーは、もちろん長編は面白いけど、読むのもそれなりの体力を必要とする。その点短編は気軽に読めるのがいいね。ディーヴァーファンじゃなくとも、面白い本を探しているなら、ぜひオススメしたい一冊だ。

クリスマス・プレゼント (文春文庫)
ジェフリー ディーヴァー/Jeffery Deaver/池田 真紀子
文藝春秋
¥ 950