酔眼漂流記

夜毎酔眼化しつつカメラ片手に未だ人生を漂流する人の記録。

子どもたちの眠る場所 ジェームス・モリソン

Kyotographie 2024に行ってきた

今回のKyotographie の中で興味があったプログラムの一つ。
世界各地で暮らす子どもたちの眠る場所を彼らのポートレートとプロフィールと共に展示。京都芸術センターにて。写真はK-3 iiiとFA 31mm Limited。

これを観て思うのは幸福の尺度のようなものだった。
紛争や貧困、暴力といった劣悪な環境、境遇に暮らす子どもたち。彼ら眠る場所は、それを思わせる酷いもが多い。そもそも家すらなく路上で寝ることもあると言うブラジルのストリートチルドレンもいる。

方や裕福な家庭の子どもたち。彼らは個室があり、綺麗に飾られ物が溢れている。

どちらが幸せそうかと言えば、見る限り後者だ。でも。

アメリカの4歳の少女を見て思った。彼女の部屋は子ども美人コンテストで勝ち取った冠でいっぱいだ。ベッドもまるでお姫さまが眠るようなもの。これを見れば恵まれた環境だと思う。けれど、彼女の余暇は全てコンテストの準備とリハーサルに費やされている。コンテストのために毎日ステージ練習をして、週末ごとにそのショーに参加している。そのために両親は1,000ドル費やすこともあると言う。

考えさせられる話だ。彼女が幸せなのかどうか。そんなことは第三者にはわからないし、とやかく言うことでもないんだろう。でも何かモヤモヤする物が残る。ただ言えるのは、環境や境遇は子どもたちが必ずしも自ら望んで得た物ではないと言うことだ。

写真というのは、淡々と事実を写す物だと思っている。ここにあるのは彼らが眠る場所の写真とポートレイト。そこには色々考えさせられる現実が写っている。これが写真の力でもあると思う。