酔眼漂流記

夜毎酔眼化しつつカメラ片手に未だ人生を漂流する人の記録。

現存12天守を巡る旅 福井県 丸岡城


一筆啓上 丸岡城

福井旅、二つ目の目的地は現存12天守の一つ丸岡城。

チケットを買ったらおまけが付いてきた。織ネームといういわゆるネームタグ。ここ坂井市丸岡町は、商品の織ネーム(タグ・ワッペン)や、織テープなどの生産で全国の7割を占めるんだとか。

www.echizenori.jp

小ぶりな天守だけれど、なかなか堂々とした風格がある。ちなみにこの天守は、1948年の福井地震によって倒壊している。その後倒壊材の8割を再利用して組み立て直されたという経緯がある。

どこの天守の中の階段は急なんだけれど、丸岡城は特にすごい。ほぼ垂直に感じるほどで、上り下りは怖かった。

ちょっとわかりづらいけれど、屋根は石瓦で葺かれている。ここは豪雪地帯のため、寒さに強く割れにくい石瓦を使っているんだそうだ。丸岡城の特徴の一つ。

石垣は、野面積み。積み上げる石をほとんど加工せずにそのまま積み上げていく方法のこと。この荒々しい感じが、丸岡城の精悍さを引き立てている。

二階建てに見えるけれど、実は三層構造になっている天守。

丸岡城を語る上で外せないのがこの石碑に書かれた文。

一筆啓上火の用心 お仙泣かすな 馬肥やせ

これは徳川家康の家臣である本多作左衛門重次が長篠の戦いの陣中から妻に宛てて送った手紙。用件を簡潔明瞭に伝えた手紙の手本として、聞いたことあるんじゃないだろうか。

わたしゃ、「必殺仕置屋稼業」で知ったんだけれど、それは余話として。

で、このお仙と言うのが後々丸岡城主になる本多成重。そんなことから、ここ坂井市では「一筆啓上賞」という短い手紙を対象としたコンクールを毎年開催している。

「一筆啓上賞」を展示してある施設。

外観はやはり丸岡城をモチーフとしているのかな。

読んでいると、思わず目頭が熱くなってくる。言葉に出しづらい、けれど手紙ならば伝えられる想い。

まぁ、ネタっぽい笑ちゃうのもあるけど。

丸岡城。誤解を恐れず言えば、何もないところにひっそり佇む。観光客まみれになっていないので、個人的にはいいお城だった。何気ない風景の中に溶け込んでいる。そんな存在が羨ましい。

maruoka-castle.jp

www.tegami-museum.jp