酔眼漂流記

夜毎酔眼化しつつカメラ片手に未だ人生を漂流する人の記録。

天空の山城 備中松山城


現存12天守巡りの旅 備中松山城

岡山 備中の旅 Day2 午前の部

岡山旅二日目。

suigan.net

今旅のメイン、高梁市にある備中松山城へ行った。現存12天守、10番目の城。ここは12天守の中で一番行くのが大変そうだと思っていた。山中にある山城なので、歩いて行くとすれば麓からだと歩いて小一時間ほど登山をしなければならない。まぁ、この日は一日中かけて松山城と城下町の高梁市内を巡る予定でいた。だから、往時を偲んで歩いて登城しようと思ってはいた。

しかし、松山城のサイトに「スズメバチに注意」と言う注意書きがある。今は活動時期らしく、山中で遭遇する可能性があるらしい。

ちょっと迷ったけれど、結局レンタカーで行くことにした。もっとも、車の運転は3年ぶりだったりするので、それはそれで多少の不安はあったけれど。岡山市内で車を借りて備中松山城へ。

この旅の相棒はコイツだ

車で行く場合、基本は五合目の駐車場までしか行くことはできない。そこから先は有料のシャトルバスに乗って天守に向かう。これは細い山道で車のすれ違いが困難で一方通行なため。

ただし、シャトルバスは基本的には土日祝祭日の運行。平日はそのまま八合目の駐車場まで上がって行くことができる。ただし、その際でも係員の人の指示に従う。ちょうど今降りてくる車があると言うことで、しばらく待機。

確かに道は細く狭い。ガードレールもないから間違えたら谷底へ。ちょっと緊張感漂う。

ところがこの日は、どう言うわけか降ってくる車と鉢合わせしてしまった。何とかすれ違いができる場所だったからいいようなものの。どうやら、向こうの車が勝手に降ってきたようだ。えらい迷惑。

ふいご峠

着いたところが、八合目にあるふいご峠の駐車場。ここの駐車場は10台も停めたら満車になってしまいそうだ。

実はここからは徒歩で登っていかなければならない。

了解です
登城開始
きちんと整備されているので、それほど険しくはない
目の前に現れた巨大な石垣

ちなみに、NHKの大河ドラマ「真田丸」のオープニングでの映像はこの備中松山城だとか。

天守とご対面

ここまでふいご峠から約20分ほど。

天守は1681年ごろに造営されたとか
圧倒的な石垣の要塞感

備中松山城は自然の要害を生かした山城である。そこにあるのは優雅さよりも圧倒的な要塞感。これはやはり戦時の城なんだろうなぁ。反面、平時には使いづらそうだ。

備中松山城は、登城するだけが楽しみではない。この辺りは、9月下旬から4月上旬にかけて雲海が発生しやすい。そのため雲海に包まれる幻想的な城の姿を見ることができる。まぁ、見ることができるかどうかはかなり運試しのようだけれど。

以下余談であるが、小説家として司馬遼太郎が好きだ。初めて読んだ作品が幕末の越後長岡藩の家老となる河合継之助を主人公とした「峠」だった。少年時代に読んだ継之助の生き様は強烈な印象として残り、彼は自分にとってのヒーローだった。継之助は備中松山藩で藩政改革を断行して財政危機を救った人物である山田方谷の教えを受けるべくここへ訪れている。それを想うと、こうしてこの場所に立つことは意味のある巡り合わせでもあるのだ。時代は変わり風景も変わった。でも、空の青さは変わらない。この空をここで継サも見たかと思えば静かな感動がある。

遠く高梁の街並みが
猫城主 さんじゅうろー 様

現在の城主は、この さんじゅうろー 様である。なかなかできたお方で、私のようなものでも近くで謁見させていただけた。どうか末長く城主としてお勤めください。

山中に静かに佇む備中松山城。石垣の険しさは、美しさと儚さが交差する。それは歴史の深さ。過去からの声。そんな声が聞きたくて、強者どもの夢の跡を追う。

www.bitchumatsuyamacastle.jp

つづく。

suigan.net