
石川県立図書館という名の「美しき迷宮」に迷い込む

今年最初の旅を金沢にした。
理由はたいしてない。
なんとなく、お正月を金沢で過ごす、という響きが少し贅沢に思えただけだ。
それに強い寒気が来るだの、大雪だのという予報も出ていた。
雪に沈む金沢の写真が撮れたらいいなあ、などとぼんやり考えていた。
しんしんと雪に沈む古都の姿を期待してしまうわけだが、これはまあ、現場の苦労を知らぬ旅人の無責任な願望というやつだ。

カメラはPENTAX K-1 II。
レンズは耐候性を考えてsmc PENTAX-DA★55mm一本。
一本勝負、という言葉ほど気楽なものはない。
選択肢が少ないというのは、歳をとると実に楽だ。

ところが現実は、みぞれと氷雨。
思っていた雪景色とは違う。
どうやら金沢市内というのは、思ったほど雪が積もらないらしい。
まあ、自然というのはだいたいいつもこちらの思惑を裏切る。


初詣は尾山神社。
今年一年も、とにかく無事でありますように、とだけお願いする。
欲張らない。
もうそれで十分だ。


天気も良くないので近江町市場に逃げ込む。ブラブラ見て歩くだけでも楽しいところだ。


ちょうど七草粥の振る舞いをやっていて、ありがたくいただく。
人生初の七草粥。
正月気分のお裾分けだ。

今回はほぼノープランだったが、ひとつだけ行きたい場所があった。
石川県立図書館。
以前こちらの記事で知って、ぜひ行かねばと思っていた。
実際に来てみたら。
まあ、なんとも贅沢な空間で驚いた。

図書館といえば、学校の図書室くらいの記憶しかない。
公立図書館なんて、もっと堅苦しいものだと思っていた。
ここは本を「見せる」そして「魅せる」。
立派な本ばかりじゃなく、サブカル系の本も普通に並んでいたりする。
「おぉ!」と唸ってしまう品揃え。
ぶらぶら歩いて、気になる本を手に取りパラパラとページを捲る。
恐ろしいことに、これだけの空間に一日中いてもタダなのである。
なんて素敵な場所だ、図書館。


軽く見学だけ、のつもりが、時間が足りなかった。
ちょっと失敗。
いや、大失敗かもしれない。
俄然、図書館というものに興味が湧いてきた。
帰ったら近所の図書館も覗いてみよう。
www.library.pref.ishikawa.lg.jp

定番の兼六園にも行く。


雪に沈む兼六園、というわけにはいかなかった。
実を言うと、日本の庭園の美しさの真髄、なんてものは未だにわかってなかったりする。
それでも、こうして写真を撮ってみると、何か引っ掛かる部分があったりして。
ま、理解しなくても、感ずればいいんだろうね。
金沢は観光客で溢れかえっている、というほどでもなく、ほどほど。
この「ほどほど」が、実はいちばんいい。

最終日は快晴。
雪を求めた旅だったけれど、やはり天気がいいほうが気分もいい。
金沢はこれで三度目だが、なぜか毎回冬だ。
次は夏に来てみようか。
その時は、また違う色の空が撮れるかもしれない。
そう思いながら、また当てにならない予定をひとつ、胸の隅に置いた。

