酔眼漂流記

夜毎酔眼化しつつカメラ片手に未だ人生を漂流する人の記録。

初詣と浮世絵とクラフトビール

毎年、初詣は根津神社に出向いている。なぜ根津神社かと言えば、理由は至極単純で「必殺商売人」の舞台の一つが根津だったからだ。「根津の権現様」という言葉の響きが好きで、何となく初詣はここに来ている。根津神社の門前には、昔は色里があって栄えたそうな。

日暮里駅で降り、谷中銀座を抜けて根津神社に向かう。三が日ともなれば、参拝するにも長蛇の列だが、この日はピークも過ぎて人もまばら。のんびりとお参りが出来た。そういえば、神社の近くにいつも行列ができていて気になる店がある。讃岐うどんの「根の津」という店だ。空いているときを狙って行ってみるか。

いつもだと、この後上野に出て浅草寺までブラブラと散歩するのだが、今日は上野の森美術館へ向かう。去年の暮れから、展覧会巡りにハマりだした。行ってみるとその手のことには疎くとも、見ているだけで楽しい。半日ほど過ごせて、二千円も出せばお釣りがくる、とてもリーズナブルな娯楽だ。

その前に昼飯を、上野の森さくらテラスにあるエビスバー 上野の森さくらテラス店で。ヱビススタウトクリーミートップとカツカレー。先日、東京駅にある店で飲んだビールが旨くて、今日もそれ目当てで。ビールはもちろんだが、カツカレーも美味い。出てくるまでに時間が掛かったけれど、どうもオーダーが入ってからカツを揚げているんだろうか。アツアツのカツにちょっと感動。

今年最初の展覧会は、上野の森美術館で開催されている「肉筆浮世絵」展。ふつう浮世絵と言えば版画を連想するが、肉筆浮世絵は絵師が直接絹や紙に筆で描いたものを言うそうだ。だから、こちらは一点ものというわけ。浮世絵は、知識としては知っているけれど、しげしげと見るのは初めて。驚いたのは、着物の艶やかさだ。繊細に描かれた柄と色彩は、正に美術品だ。そして、実にモダンだということ。それに対して、美人画と言っても今では美人に思えなくて、この辺りの違いが面白い。

その後、銀座に出てiBrewというビアバーで軽く飲む。ここはクラフトビールを出す店で、前からチェックしていた。初めて行く店というのは緊張するもの。でも、ここは通りに面したところがガラス張りで、中の様子が分かり、入って行きやすい。カウンターのみの10人も入ればいっぱいになる店。あくらビールの秋田美人ビールとベルジャンペールエールをいただく。つまみはガーリック枝豆。ビールはもちろん美味しいんだけれど、この枝豆が美味。枝豆をガーリックオイルに漬け込んである、んだろうか。